本誌記事 WebCALCiO 2002

金持ちも貧乏もなければ、白人も黒人もない
サッカーというスポーツでは世界が一つになれる

カカー、君の成功の秘訣を教えてくれるかな?

カカー(以下K)― 月並みな答えになってしまうけど、自分自身が楽しんでいるからじゃないかな。僕は本当に幸運な男だと思っている。だから、それに見合った毎日を送ろうとしているだけさ。神がせっかく良い人生を僕に与えてくれたんだ。最大限楽しもうと思っている。

多くの若者が与えられた才能をどぶに捨てるような人生を送っている。そんな現実をどう思う?

ヒカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ
1982年4月22日、ブラジル生まれ。9歳でサンパウロの下部組織に加入し順調な成長を遂げるも、18歳の時に脊椎を損傷し長期のリハビリ生活を余儀なくされる。ピッチに戻ると、2001年にプロデビュー、翌年にはブラジル代表にも選出され、同年ワールドカップでは優勝メンバーに名を連ねた。03年にイタリアへと渡り、セリエAデビューを果たす。強靭なフィジカルと、華麗なボールコントロールを武器に、レベルの高いパフォーマンスを披露し、03−04シーズンのスクデット獲得に大きく貢献。名実ともにワールドクラスへと飛躍を遂げた。

K― 自分たちが間違っていることを理解できずにいるんだろうね。あるいは、単にツイてないだけなのかもしれない。人間ツキがあれば多くのことが可能になる。

君がサッカーを始めたこと、そして今、サッカーで生活していることは、幸運だということなんだね。

K― そういうこと。サッカーは素晴らしいスポーツだ。金持ちも貧乏もなければ、白人も黒人もない。サッカーというスポーツでは世界が一つになれるのさ。アメリカと中国、ロシアと日本、ブラジルとアルゼンチン……世界中が共通のルールの下でプレーしているスポーツなんだからね。

まさにそのとおりだね。世界中の人間がサッカーをしている。でも、サッカーで勝利を手にするのはいつもブラジルなんだよね。

K― 僕にとってはそれでいいんだけど(笑)。冗談は別にして、それはきっとブラジルではサッカーが特別だからだよ。ブラジルでのサッカーはパッション(情熱)を超えたところにある。“マニア”という表現が適切なのかもしれないな。というのは、数百万の子供たちがサッカーをしながら成長しているんだ。そういう環境だからこそ、ブラジルはW杯で常に本命視されるだけのレベルを保つことができる。他の国に比べてサッカー人口もけた外れに多いはずだしね。これだけ多くの人がサッカーをしているんだ。国全体のサッカーレベルが高いのは当然だよ。

サッカー人口も多いし、良い“マエストロ”(先生)も多い。各世代に素晴らしい先生がいるだろう? 君の場合はライーがマエストロだった。そして今は君が多くの少年たちのマエストロであり、目標でもある。

K― 確かに、僕は子供の頃、ライーにあこがれていた。ライーは僕のアイドルだったんだ。いつも彼のプレーを見ていたし、そのテクニックに魅せられていた。それに彼の冷静さ、落ち着いたプレーぶりが好きだった。ライーはタイミングを失うことも、ポジションを間違えることもなかったよ。それに、どんなに相手からのプレッシャーが厳しい時でも、自分自身を見失うことがなかった。僕は、そんな彼のプレーをずっと見本にしてきた。彼のプレーを真似することで上手くなったのかもしれないね。

実際に、君のプレーはライーに似ている。ただ、ライーよりも君のほうがはるかにスピードがある。パワーにスピードが加わったことで、君は今、“フオリクラッセ”と見られていることについてはどう思う?

K― さっきも言ったけど、僕は幸運な男だ。僕の成功の秘訣は神から与えられた資質を伸ばすことができたことにあると思っている。それに、ミランという素晴らしい組織に出会えたことも大きい。ここには資質を伸ばすための環境がすべて整っている。あらゆるトレーニングが可能なんだ。

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