本誌記事 WebCALCiO 2002

どんな相手に対しても気が
抜けないのがW杯だと思っている

今度のW杯も“ロナウドのための大会”になると思うかい?

K― “ロナウドのための大会”になるかどうかは分からない。彼の他にもたくさんいい選手がいるからね。ただ、彼が常に感動を与えてくれる選手であること、世界最強のストライカーであることは確かさ。一部の人が指摘するような“年老いた”選手じゃないこともね。それどころか、もし僕がインテルのフロントだったら、すぐにも呼び戻したいと思うくらいさ。まだまだ最高の仕事ができる選手だよ。

以前から噂されていたとおり、カフーは“予定どおり”の行動を取った。W杯で最高のプレーをするための“調整”目的だけで戦列に復帰した彼の行動を、ロッソネーリのティフォージは快く思っていないようだ。

K― カフーは体調が悪かったんだ。ひざの手術をした後、2カ月間のリハビリを経てピッチに復帰した。僕にはごく普通の行動としか思えない。何とか終盤戦に間に合わせようとしただけさ。大事な試合でミランに貢献したいという気持ちの表れだと思うけどな……。ただ僕としては、彼にはあまり無理をしてほしくない。彼にはW杯開幕時に100パーセントの体調でいてほしいと願っているからね。セレソンで最も経験豊富な選手だし、それに僕らのカピターノだからね。だからと言って、ミランを犠牲にするとか、ミランを悪用してとか、そういう言われ方をされるのは、彼としてもとても悲しいことだと思う。彼はミランをこの上なく愛しているんだから。

“ドイツW杯のヒーロー”となるのはロナウジーニョ、それともカカー?

K― “セレソン”がW杯のヒーローになることを願っている。最優秀選手とか得点王とかには全く興味がない。僕が欲しいのは、W杯優勝というタイトルだけ。ロナウジーニョは彼のサッカー人生の中でも最高の時期にドイツW杯を迎える。僕はむしろドイツ大会が“ロナウジーニョのための大会”になることを願っているのかもしれない。彼は僕より年齢が2つ上なんだ。2002年W杯でもピッチ上で優勝を体験している。僕も優勝メンバーの一人だったけど、控えだった。今の彼は4年前とは比べることができないくらい成長している。カリスマ性や人気、すべてにおいて今の彼は世界ナンバーワンだ。彼ならペナルティーエリア周辺で相手DFを2、3人くらい引きつけてくれる。となると、僕がフリーになれるチャンスが増すということ。そう、僕がゴールを決めるチャンスが増えるということさ。

グループリーグで対戦する相手の研究はしているのかい?

K― いや、全くしていないよ。今はミランのことで精一杯なんだ。ミランの次の対戦相手のビデオを見ることでね。毎晩テレビでサッカー中継を見ているようなサッカー漬けの生活を送っているわけじゃない。映画館へ行ったり、DVDで映画を見たりしているよ。だから、まだW杯の対戦チームに関する知識はほとんどないんだ。

君たちは今のところ、相手チームのことを知らないとしても、相手はブラジルのことを熟知しているはずだ。情報の欠如が原因で痛い目に遭う可能性もある。

K― もちろん全く知らないというわけじゃない。例えば、クロアチアは結構知っているつもりさ。何人かイタリアでプレーしているし、シミッチはミランのチームメートだからね。クロアチアは98年のW杯では3位に入っている。それに、02年のW杯にも出場していたから、それなりに見ているつもりだよ。オーストラリアと日本はまだ未知数だけど、カンピオナートが終わってからW杯開幕まで約1カ月ある。合宿で相手チームの研究をするつもりさ。大会前の1カ月間は“バカンス”の時期じゃない。それにパヘイラ監督は完璧主義者。常に相手チームのことをかなり細かいところまで調べ上げるんだ。たぶん、決勝トーナメントで当たりそうな相手のことも、すでに調べ上げているんじゃないかな。

ブラジルがドイツW杯を制すると信じているんだろう?

06年W杯のグループリーグ第2戦オーストラリア戦はミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われる。 写真手前はドイツ大会のマスコットである“GOLEO”

K― 確かに、ブラジルには本命に挙げられるだけの実力があると思っている。ただ、ブラジルの対戦相手はどのチームも必死に立ち向かってくる。90分間必死の形相で戦いを挑んでくるんだ。そんなチームを相手にすると、ほんの数秒でも集中が切れるだけで思わぬ結果が生まれることになる。個人的には怖いチームはないよ。ブラジルが一番強いと思っている。本当に強いチームができ上がっているんだ。ただ、どんな相手にも油断しないよう注意するつもりさ。最も格下と見られているオーストラリアと対戦する時も、集中を切らさないようにね。どんな相手に対しても気が抜けないのがW杯だと思っている。W杯では“ジョークは通用しない”のさ。

決勝トーナメント以降で最も苦戦しそうな相手を予想してもらえるかな?

K― グループリーグでの戦い方にもよるけど、ドイツは間違いなくかなりのところまで勝ち進んでくるはず。ホームで戦うということだけではなく、ドイツはビッグイベントで必ず結果を残している。それが彼らの伝統なんだ。02年の大会でも、予想に反して、決勝まで勝ち進んだ。それに、今大会のイタリアは本命の一つというより、むしろ“ダークホース”と言ったほうがいいのかもしれない。現時点で、イタリアの優勝を予想する人は少ないからね。ただ、イタリアにとってはかえってそのほうがいいのかもしれない。余計なプレッシャーのない中で戦えるからね。だから、大きなサプライズを起こすかもしれないよ。他には、アルゼンチンも要注意さ。何人ものカンピオーネを揃えているからね。それにブラジルは予選でも1度負けている。対戦したら、かなり厳しい試合になると覚悟している。あとは、アフリカ代表の5チームのうち、1つはかなりのところまで勝ち進むと思っている。一方、アジア勢は苦戦を免れないだろうな。4年前の大会では韓国が地の利を生かして勝ち進んだけど、ドイツではそうはいかないと思う。やはり遠い異国の地でプレーするのは不利だからね。

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