インタビュー・文●ルイージ・ロニョーニ Interview and text by Luigi ROGNONI
写真●グエリン・スポルティーヴォ Photo by GUERIN SPORTIVO

クトル・クーペルの隠れた武器、それはあの鋭い視線である。今シーズン、インテルの再生に成功した彼は、決して饒舌なタイプとは言えない。彼はいつも大好きなタバコの煙で少し声をくもらせながら、強いスペイン語訛りのイタリア語を話す。ただ、実際は、彼に言葉などいらない。彼が言いたいことを伝えるためには、その鋭いまなざしがあれば十分なのだ。

 アルゼンチン出身であることと、スペイン・リーグ(マジョルカ、バレンシア)で指揮を執っていたことから、クーペルはよく60年代のインテルですべてを勝ち獲った“マーゴ(魔術師)”ことエレーニオ・エレーラと比較される。しかし、実際の彼は、むしろ現ローマ監督のファビオ・カペッロのタイプに近いように思う。クーペルとカペッロに共通するあの厳格さは、決して驕りからくるものではなく、2人の生真面目さに由来する。彼らは、自分たちの行う仕事についてよく考え、会長との関係をことさら大事にする。そして何より自分たち自身のことを常に探求している。そして2人とも、美しいプレーよりも勝つことにこだわり、決して自分たちの信念を曲げようとしない指揮官でもある。
1 / 4