重要なのは、最後に順位表の一番上にいること。
長いリーグ戦の最後の瞬間にね


クーペル監督、あなたがインテルの監督に就任したのは昨年の7月14日。わずか数カ月の間にインテルはまるで別のチームになってしまったかのようです。まずは、この“大変身”について説明してもらえますか?

クーペル(以下C) ―― まず最初に言っておきたいのは、我々はまだ何も勝ち獲っていないし、まだまだ向上する余地があるということだよ。確かに、前半戦で、これだけの結果を残せたことには満足している。ただ、まだ前半戦が終わったにすぎない。ここまでの成功で満足してはいけないと思っている。しかし、これだけは言っておきたい。私は自分を“魔術師”であるなどとは考えていない。カルチョというスポーツはあなた方が思うほど複雑なものではないんだ。私はただチームに秩序と楽観主義をもたらそうとしただけだよ。プレースタイルを含め、ありとあらゆる面においてね。勝利は多くのことが組み合わさった結果、生まれるもの。優秀な選手たち、整った環境、目的意識、そういったものが組み合わさって初めて勝利を得られるんだ。そして差がつくとしたら、メンタリティーが関係してくる。これは私が選手時代、あるいは監督時代にアルゼンチンで学んだものなのだが、アルゼンチンではどんな弱小チームでもシーズン前には、「すべてのタイトルを狙っていく」と言ってはばからない。なぜなら、すべてのチームが自分たちの義務を果たそうと必死だからだ。そういったメンタリティーが私は好きだし、勝つためには絶対に必要なものだと思う。

秩序や楽観主義は、チームのどんなところから生まれてくるとお考えですか?

C ―― 選手個々の意識の中、そしてグラウンドでのプレーの中からだよ。また私の指示をスタッフがどれだけ適確に選手たちに伝えられるかという能力にもかかっている。毎日決まった練習を繰り返すということが自信を生み、人を楽観的にさせるのだ。自分たちを秩序づけるための基準というものが生まれ、無駄なエネルギーを使わなくさせるというわけさ。

楽観主義の話が出ましたが、インテルというチームにはいつも不安定な情動と言えるようなものがつきまとっている感じがします。勝った時の喜びも大きいが、負けた時の落胆もまたすごい。これについてはどう考えますか?

C ―― インテルを指揮し始めた頃、そうした環境に若干の不安を感じたことを否定する気はない。「これで本当にいい結果など残せるのか」という恐れを抱いたこともあった。ただ、幸いにもシーズン序盤にいい結果を出すことができた。それが自信になり、当初の不安を払拭できたのだ。何よりうまく滑り出せたことが大きかったのだ。サマーキャンプの初日からチームが非常に高いモティベーションを持てたことも良かったと思っている。モラッティ会長からチームを任された時には、正直言って、最初は相当苦労するだろうと思っていた。カルチョというのはなかなか予想どおりにはいかないものだからね。

あなたの前任者たちがいつも頭を悩ませていた問題に、会長との関係がありましたが、あなたはそれをも見事に解決した。これについては、いかがでしょう?

以前インテルで何が起こっていたかなんて私は知らないし、知りたくもなかった。おそらくそのことが良かったのだと思う。いかなることにも左右されずに、先入観なしにスタートできたからね。モラッティ会長との関係は、ごく自然にできあがったものだよ。同じ人間として少しずつ理解し合っていったのさ。今は何事もはっきりと言い合える非常にいい関係だよ。よく、「インテルはクーペルが来たことによって変わった」という声を聞くが、実際はそうではない。このグループは最初から非常によくまとまっていた。繰り返しになるが、私は過去のことなど知らない。ただ、今がこうであるというだけだ。カルチョの世界には、ルールブックには書かれていない“掟”のようなものがある。もし結果が出なかった場合、それはすべて監督の責任になる。そうなった時には、他のスタッフなどよりもまず監督が辞めなければならない。しかし、もしチームが優勝したら、その功績はチーム全体のものとなる。それは決して一人の選手やフロントだけの勝利ではない。ましてや監督一人の功績などにはならないんだ。

「チームを掌握した」と感じることができたのは、いつ頃ですか?

C ―― 昨年11月のローマ戦の最中、あるいはその後ぐらいからかな。試合自体は引き分けに終わったが、昨シーズンのイタリア・チャンピオンを相当に苦しめる戦いができた。あの時、私は自分が非常に魅力的な要素を備えたチームを率いている、そんな実感を持てたのだよ。チームへの帰属意識、誇り、コンパクトなプレー、そういったものすべてを感じることができたんだ。

しかし、最終的に前半戦トップの座はローマに譲ってしまいましたね。

C ―― 過去、前半戦トップだったチームの75%がスクデットを獲っているというデータは私も知っている。ただ、それは私には興味のないことだ。重要なのは、最後に順位表の一番上にいること。長いリーグ戦の最後の瞬間にね。
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