“才能の流出”がイタリアの深刻な悩みになっている。例えば、幼児腫瘍の専門家、アントニオ・イアヴァローネとアンナ・ラゾレッラの2人がニューヨークに渡り、富と名声を手にし、今や世界の“時の人”となっているのは有名な話だ。ある意味では、医学の世界における“才能の流出”はやむを得ないことなのかもしれない。イタリア政府は研究に携わる人間を正当に評価していないのだから、彼らが外に研究の場を求めるのは仕方がないのだ。だが、それがサッカーの世界に起こっているという現実を前に、我々は黙っているわけにはいかない。
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| セリエAに失われたスペクタクル性を求める時、必要となるのがダレッサンドロのような選手だ |
かつて“世界で最も美しい”と呼ばれていたカルチョの世界は、今や“天才たち”には住みにくい世界と化してしまっている。こんな時代だからこそ、ダレッサンドロの去就が注目を集めたのだ。失われたスペクタクル性をカルチョに求める時、必然的に必要になるのがダレッサンドロのような選手なのである。数十億円の大金を準備し、ダレッサンドロ獲得に乗り出したのはユーヴェとインテル。このユーヴェvsインテルという構図は、97年夏のロナウド争奪戦を思い出させる。今回の対決はオマール・シボリ(注:50−60年代のユーヴェのスタープレーヤー、現在は中南米担当のスカウト)の仲介もあり、ユーヴェ優勢という形で進んでいる。4年前のリベンジをユーヴェが果たすのかどうか、興味は尽きない。ダレッサンドロ獲得の“イタリア・ダービー”という議論は別にして、今回は、ダレッサンドロのセリエA入りがカルチョにとって大きな転機になるのかどうかを論じていきたいと思う。 |