セリエAの各クラブは、早くもW杯後のカルチョメルカートに向けて動き始めている。
現在のイタリアサッカー界は、金がない、財政削減だと嘆いているが、
カルチョメルカートに関する巨額の投資、大物選手の獲得は相変わらずである。
今年も例年同様にビッグネームの移籍が多く見られそうだ。
ネスタ、カンナヴァーロをはじめ、ベッカム、ロベルト・カルロス、キューウェルらの
名前がイタリア国内を騒がしている。
2002−03シーズンの戦いはすでに始まっているのだ。

文●マッシモ・オッピオ Text by Massimo OPPIO
写真●グエリン・スポルティーヴォ Photo by GUERIN SPORTIVO
シーズン中から移籍の噂があったネスタ。来シーズンはインテル入りが濃厚か
INTER
インテル会長モラッティの
際限なき野望
ネスタ、ロベルト・カルロス、
ベッカム獲得へ

冬のメルカートではユヴェントスが水面下で活発な動きを見せていたが、今度はインテルの会長マッシモ・モラッティが驚くべき行為に出そうだ。彼は2月18日に開催された会長就任7周年記念パーティーの席上で「アレッサンドロ・ネスタとロベルト・カルロスを獲得する準備がある」と発言したのである。これはラツィオ会長セルジョ・クラニョッティのコメントを受けてのものである。クラニョッティのコメントとは、「金額次第ではネスタの放出もあり得る」というものだ。近日中にインテル、ラツィオ間で具体的な交渉が進められるだろう。いや、もうすでに両者の間では移籍が成立しているかもしれない。

「ネスタ、インテルへ」というニュースに穏やかでないのは、レアル・マドリー会長フロレンティーノ・ペレスだ。ペレスは“ドリーム・チーム”完成のために、ずいぶん前からネスタ獲得に動いていた。しかも、そのネスタだけではなく、ロベルト・カルロスまで持っていかれそうになっているのだから、静観しているわけにはいかないだろう。だが、現時点でモラッティが世界最高クラスのDF2人を同時に獲得するのは難しいと見られている。どちらか1人ならば、可能性は高いようだが。

さらに、モラッティは来シーズンに向けて大物外国人の獲得をほぼ確実のものとしている。アヤックスのキャプテン、クリスティアン・チヴー(ルーマニア国籍)である。アヤックス側とは約2000万ユーロ(約23億円)ですでに合意に達しているようだ。

ファーガソン監督との意見の食い違いから移籍話が浮上したベッカム。今後の動向に注目が集まる
モラッティの精力的な動きはこれだけに留まらない。何と、マンチェスター・ユナイテッドの“宝石”デイヴィッド・ベッカムにラブコールを送っているのだ。一見、不可能な話のようだが、これは現実味を帯びた話である。今シーズン、起用法を巡ってアレックス・ファーガソン監督と意見が食い違っているベッカムは、最近になって「自分の将来をW杯開幕前に決める」と明言しているのだ。たとえW杯直後に移籍をしない場合でも、マンチェスター・Uとの契約期限、2003年6月30日が近づけば大変な騒ぎになる。間違いなく熾烈なベッカム争奪戦が繰り広げられるはずだ。契約期限切れで移籍金がゼロになれば、インテルとミランがサラリーキャップ制を無視した、超巨額の年俸をベッカムに提示することになるだろう。

モラッティの野望はさらに際限なく広がっている。左サイドMFの補強というモラッティの願望を満たしてくれるのは次の2人のうちのどちらかだ。モラッティが惚れ込んでいるのはリーズ・ユナイテッドのハリー・キューウェル(オーストラリア国籍)。だがリーズの“宝物”を強奪することが無理ならば、ウディネーゼのマルティン・ヨルゲンセンへと手が伸びる。ヨルゲンセンはクーペル監督のサッカーに順応できる選手であるとの見方も強く、獲得が有力視されている。

インテル
02-03シーズン用予算 1億ユーロ(約115億円)
強化ポジション 左サイドバック
狙っている選手 ネスタ(ラツィオ)
ロベルト・カルロス(レアル・マドリー)
ベッカム(マンチェスター・U)
キューウェル(リーズ)
ヨルゲンセン(ウディネーゼ)
ファン・デル・ファールト(アヤックス)
チヴー(アヤックス)
ココ(バルセローナ)
ジェラード(リヴァプール)
既に契約済みの選手 スカルピ(アンコーナ)
レンタル先から
戻ってくる選手
アドリアーノ(フィオレンティーナ)
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