インタビュー・文●ジャンニ・ヴィズナーディ Interview and text by Gianni VISNADI
写真●高橋 在、Studio BUZZI Photo by Ari TAKAHASHI/Studio BUZZI
 1年ほど前、ホッキ・ジュニオールがW杯南米予選を戦うために、イタリアとアメリカ大陸を何度となく(1年半で18試合)行き来して、ミランを留守にした時、副会長のアドリアーノ・ガッリアーニは半ばあきれたようにこう言ったものだ。「今後、ミランはブラジルなど南米の選手とは契約しない。ペレ・クラスの選手なら別だがね」と。

 彼がそう言った日から1年が経過した今、“ペレ”がミランにやってきた。リヴァウドという名の“ペレ”である。これまで、ミランは数多くのブラジル人カンピオーネと契約してきた。ジーノ・サニ、ジョゼ・アルタフィーニ、そして、最近ではレオナルドなどである。だが、期待の大きさでは、リヴァウドに勝る者はこれまでには存在しなかった。 

 そのリヴァウドが、ついにミランの門を叩いた。人目をはばかるように、しかも突然に、ミランの門を叩いたのだ。バルセローナとの間に何があったか、そんなことはもはやどうでもいいことだ。ベルルスコーニにとっては、リヴァウドが先のW杯で見せたようなプレーを、サン・シーロで披露してくれればそれでいいのだ。

 ところで、リヴァウドがシルヴィオ・ベルルスコーニ会長の積年の“恋人”だったことは周知の事実である。1999年にリヴァウドがバロン・ドールを受賞した時、すでにベルルスコーニの心にはリヴァウド獲得への思いが生じていたと言われている。

 入団発表の会場でガッリアーニは、「リヴァウドは我々にとっては世界一のプレーヤーだ」と言った後、さすがに他の選手への気遣いを忘れたことに気がついたのか、「世界一のエリート集団に相応しい選手だ」とつけ加えた。マルディーニ、シェフチェンコといったカンピオーネに対する配慮を忘れてしまうほど、リヴァウドはミランが求め続けていた選手なのだ。
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