崩壊寸前だったチームは
これ以上ないと言えるほどの
補強を行った
 2002年のカルチョメルカートにも大きな影響を及ぼしたイタリアサッカー界の財政危機は、結果として、ラツィオに有利に働いていた。この夏、クラブ経営の資金繰りに窮したラツィオは、ネスタ、シメオーネ、クレスポ、スタム、クラウディオ・ロペスといったチームの主力を売りに出そうとしていた。だが当初は、どのクラブも彼らを獲得するだけの資金がなく、クラニョッティ会長は仕方なく“商品”を引っ込めることになった。かくして、“売りのラツィオ”は一転し、“既存のラツィオ”となったのである。

 ラツィオは3シーズン前から主力放出を立て続けに行ってきた。ヴィエリ、セルジオ・コンセイソン、アルメイダ、サラス、ネドヴェド、そしてベロン……。それが、これまで以上に“売却”を必要としていた今夏、皮肉にも主力放出ゼロとなるのが濃厚だった。カルチョメルカートが閉まる8月31日(当初の予定)以前で放出が決まっていたのは、“スペインの浮遊霊”デ・ラ・ペーニャとメンディエタ、そして“インテリスタの悪夢”ポボルスキの3人だけ。ラツィオは、スクデット獲得の本命と見なされた昨シーズンとほぼ同じ陣容で、新シーズンを迎えようとしていたのである。もちろんこれは、8月31日までのことであるが……。

 デ・ラ・ペーニャ、メンディエタ、ポボルスキの3人を放出する一方で、ラツィオは彼らに代わる有力な戦力を手にしている。まず、キエーヴォとのいざこざの末にマンフレディーニを獲得した。オッド、ソリンといった新顔も今シーズンからビアンコチェレステのシャツに身を包んでプレーする。さらに、経営崩壊したフィオレンティーナからキエーザが加入したことで、昨シーズン以上の戦力を有することになった。

 リーグ戦出場が危ぶまれていたチーム、財政危機により崩壊寸前だったチーム、ファンから見捨てられていたチームは、これ以上ないと言えるほどの補強を行ったのである。

DF 6.
Juan Pablo SORÍN

フアン・パブロ・ソリン
1976年5月5日アルゼンチン生まれ 173cm/65kg
クルゼイロ(ブラジル)から加入した新戦力。2002年W杯では、アルゼンチン代表としてグループリーグ3試合すべてに出場している
FW 25.
Enrico CHIESA

エンリコ・キエーザ
1970年12月29日ジェノヴァ生まれ 176cm/70kg
移籍後60日以内にプレーしなければ契約解消という条件でフィオレンティーナから加入。ケガで棒に振った昨シーズンの借りを返す
DF 22.
Massimo ODDO

マッシモ・オッド
1976年6月14日ペスカーラ生まれ 182cm/76kg
クラブの財政事情により放出の噂もあったが、開幕直前に正式契約を結んだ。今後のイタリア代表を担っていく選手だ
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