現役時代、常勝チームから
勝ち点を奪うことが最大の喜びだった。
監督になっても同じような気持ちでいたい
エリクソンと君の関係はよく知られているよね。君たちはサンプドリアとラツィオでの9年間で多くのタイトルを手にしてきた。
クラニョッティ会長からラツィオの監督就任の要請があった時、エリクソンから何かアドバイスはあった?


 ―― あれだけ長い間そばにいたんだから、ズヴェン(エリクソン)のアドバイスは必要なかったよ。彼が考えていることはすべてわかっているつもりさ。それでも、一応連絡だけはしておこうと思って電話を入れたんだけど、彼の携帯の電源が切れていたのでその時はコンタクトが取れなかったんだ。ちょうどW杯の直前で、イングランドのマスコミから質問攻めにあっていたらしい。だから電源を切っていたんだって後から聞いたよ。いずれにしても、「監督就任おめでとう。君と君のラツィオを応援するよ」と言ってくれた。

20年以上もカルチョの主役として生きてきた君から見て、この世界に何か変化を感じている?

 ―― 確かに変わってきたね。「“マネー”がサッカーをダメにした」と言う人もいるけど、それは間違っていると思う。年俸が高すぎるとか、クラブの経営が厳しくなったということは否定できない。ただ、金の使い方はクラブの上層部が考えることさ。クラブの上層部がもっと真剣にカルチョの将来を考えていれば、今のような状態にはならなかったはずだ。でも、選手たちは何も変わっていないと思うよ。練習方法とか、肖像権の管理の方法は変わったけれど、サッカーへの情熱は変わっていない。ファンにしてもそうさ。ファンのサッカー離れが深刻だなんて話を耳にするが、実際はそんなことないと思う。予定よりも2週間遅れたけれど、セリエAは開幕するんだ。「このままではカルチョがダメになる」なんて言う人もいたけれど、間違いなくセリエAは始まるのさ。その開幕をファンは待ち望んでいる。そして、選手もプレーに飢えているんだ。

ラツィオの監督として、今シーズンのチームに望むことは?

 ―― 私は選手時代、ビッグクラブを悩ませることに生き甲斐を感じていた。常勝チームから勝ち点を奪うことが私にとって最大の喜びだったんだ。“サッカー界の反逆者”と呼ばれることに誇りを感じていたくらいさ。立場が監督になっても、同じような気持ちでいたいと思う。特に、今シーズンは北のビッグクラブに一泡吹かせたいね。今のラツィオは、自信を求めてプレーしているところなんだ。そんなチームにとって、ビッグクラブから勝ち点を奪うことは大きな弾みになる。ファンも心から喜んでくれるはずさ。

エリクソンが、「ロベルトは監督になるより、チームのフロントに入ったほうがいい。監督だと、どうしても選手への要求が多すぎてしまうからね」と言っていたけれど、このエリクソンのコメントを君はどう思う?

 ―― 確かにそれはあるかもしれないな。私は完璧主義者なんだ。選手時代にも、それが理由でチームメートとやり合ったこともあった。ただ、徐々に性格を直していくつもりだよ。選手を理解できるような監督になるよう努めていくつもりさ。

今のサッカー界に、“アルティスタ・マンチーニ”の後継者はいるのかな?

 ―― それは難しいだろうね。私はかなり変わっているから。ただ、単に観客を沸かせるという意味でなら、トッティ、カッサーノ、モルフェオらには、その素質があると思うよ。

今シーズン、ネスタはロッソネーロのシャツを身につけてプレーすることになったけど、どんな気分なんだろう?

 ―― 最初はすごくとまどうだろう。はじめの2、3カ月は、自分が何をしているのかわからない状態になってしまうと思うな。それは選手にとってすごく辛いことなんだよ。私もサンプドリアで15年間プレーしてラツィオに移った時、新しい環境になかなか馴染めなかった記憶があるからね。
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