ペップがナンドロロンの
おかげで強い筋肉を手にした
とでも言うのだろうか?
 「スペインの選手はイタリアでは成功しない」――よく使われることである。あの2人のルイス(スアレスとデル・ソル)を除けば、誰もイタリアでは持ち味を発揮できなかったと言って差し支えないだろう。地理的に近く、同じラテン系民族でありながら、プレーするサッカーの性質があまりにも異なっていることが、その大きな要因として挙げられる。リーガのテクニック中心のサッカーに馴染んでいるスペイン人がセリエAの野性味を帯びた狂乱のサッカーに戸惑いを覚えるのは、至極当たり前のことなのだろう。

 スペイン人選手にとって、セリエAは苦痛そのものなのかもしれない。リーガで名声を欲しいままにしていたメンディエタでさえ、ラツィオでは出番すら満足に与えられず、結果として、今シーズンはレンタルの形でバルサでプレーすることになった。ファリノースに至っては論外。バレンシア時代の師匠クーペルがインテルの監督になったにもかかわらず、未だにベンチ暮らしである。

 また、スペイン人にとって、ドーピング検査も悩みの種のようである。リーガにおけるドーピング・テストは形式的なもの。しかも、時折、行うだけである。一方、セリエAはドーピングに関して非常に厳しい姿勢を示している。グアルディオラはイタリアに来てからの1年間で2度にわたり、ドーピング・テストで陽性反応を示している。そう、ナンドロロンに陽性反応を示し、通算4カ月間、出場停止を余儀なくされてしまったのだ。だが、ナンドロロンとはいったい、どんな薬なのか? 総合栄養剤なのか、奇跡のシロップなのか、それとも、魔女が調合した秘薬なのか? それを違法行為だと説明できる者はいない。そして、ペップがナンドロロンのおかげで強い筋肉を手にしたとでも言うのだろうか? 彼は、納得できないまま、甘んじて“懲罰”を受け、そしてシーズン終了間際、コディーノ(バッジョの愛称)の下に戻った。ペップは辛うじて間に合ったのだ。そう、彼は昨シーズン終盤、ギリギリのところで、ブレッシャのセリエA残留に手を貸すことができたのである。
3 / 4