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| インタビュー・文●アルヴァーロ・モレッティ Interview
and text by Alvaro MORETTI 写真●高橋 在 Photo by Ari TAKAHASHI | ||
| フランチェスコ・トッティは勝利を渇望している。 昨シーズンは、勝ち点1差でスクデットを逃し、イタリア代表のエースとして臨んだW杯でも、“見えざる力”によって、世界の頂点に立つという夢はかすめ取られた。 『ホーリー&ベンジー』の主人公たちの、“常に勝つ”姿に自らを重ね合わせて、 “プリンチペ・ディ・ローマ”は、今シーズンの“勝利”を誓う。 | ||
| ネスタの移籍は、ローマの選手として、 またローマっ子の一人として、 すごく残念だった | ||
| 今シーズンは、リヴァウドがイタリアにやってきたね。 君にとっては、新しいライバルが、また一人増えたという感じかな? トッティ(以下T) ―― 彼のプレーを見るたび、「本当にすごい選手だな」と思っていたんだ。そう言えば、ローマがリヴァウドに興味を示していた時期もあったんだよね。もし、彼がウチに来たら、大歓迎だったのにな。彼は、在籍したすべてのチームで好結果を残してきた。だから、きっとミランでも活躍できると思うよ。もし、障害があるとしたら、環境の変化だろうな。今までと違う国、違う環境でプレーするのは、決して楽なことじゃないはずさ。今までローマにやって来た誰もがその難しさを口にしたからね。それに、戦術優先で攻守のバランスを重要視するイタリア式サッカーに彼が戸惑う可能性もあると思う。ただ、一つ確かなことがある。それは、彼のような選手は敵に回すより味方にしたほうが得だってことさ。 ミランには、リヴァウド、ネスタ、トマソン、セードルフが、そしてインテルには、カンナヴァーロ、クレスポ、ココが加わった。 “ミラノ勢の逆襲”が始まったと解釈するべきかな? T ―― 夏のメルカートの王者は、間違いなくミランとインテルだったよ。もともと強かったチームが、補強によってさらに手強くなったという感じかな。インテルは、昨シーズン、わずかのところでスクデットを獲り逃した。もともと優勝する力は持っているチームだったんだ。ミランだってケガ人さえ出なければ、確実に優勝争いに加わっていたチームだからね。やっぱり、この2チームがポールポジションだと思うよ。そのすぐ後ろに、僕らとユーヴェがつけているという感じかな。今シーズンは、この4チームが最後までスクデット争いをするだろうね。今シーズンも厳しいシーズンになりそうだ。戦力アップしたインテルとミラン、安定した力を持ったユーヴェとローマ。ハラハラドキドキのスクデット争いになること請け合いだよ。 ただ、インテルはロナウドを失ったね。 T ―― でも、その代わりにクレスポを獲得しただろう。全く問題はないと思うよ。インテルは何も失っていない。むしろ、チームのモティベーションを高めるという意味では、プラス要素のほうが大きいと言うべきだろうね。だって、ロナウドは、もうインテルでやる気がなかったんだろう? それならチームを去って良かったんだよ。煮え切らない思いを抱えた状態で、シーズンをフルに戦い抜くことなんてできやしない。外部からのプレッシャーだけでも大変なんだから。 そして、ネスタがラツィオから去った。 T ―― ネスタの移籍は、ローマの選手として、またローマっ子の一人として、すごく残念だった。彼がキャプテンを務めるラツィオと戦うことは、僕にとって、大事な儀式となっていたんだからね。下部組織の時から数えれば、僕らは10年以上も、互いをライバルと見なして戦ってきたんだよ。トップチームに上がってからも、もう10回以上ダービーを戦っている。クラニョッティ会長の決断は、ローマの町から何か大切なものを奪ってしまったと思わざるを得ない。もし、僕がラツィオのティフォージだったら、もう二度とスタジアムには行かないだろうね。バンディエラを放出した会長が保有するチームの試合なんか、二度と観たくないだろうから。 君がローマを去ることはあり得ない? T ―― 僕かい? 僕は、一生涯ずっとローマのユニフォームを身にまとってプレーするつもりさ。何かとんでもない不測の事態が勃発しない限りはね。ただ、たとえどんなことが起ころうと、間違ってもラツィオに移籍することだけはないな。 もしローマを離れるとしたら、どんな不測の事態が起こった時? T ―― それは……そうすることで僕がクラブの役に立てる時だよ。つまり、僕がスケープゴートとなることでしかクラブを救えないとしたら、僕はそれを受け入れるさ。そう、今回のネスタのようにね。 君は「ネスタがローマに来ればなあ」なんて言っていたようだけど? T ―― (笑いながら)もちろん無理だってことは最初からわかってたよ。ローマの2チームのライバル意識は特別で、それは時として“異常”なほどだからね。インテルとミラン、ユーヴェとトリノは、毎年、平気で選手を交換している。だが、ここローマでは、そんなことは不可能さ。チームの強化、あるいは、サッカーの楽しさを重視すれば、時として、適材適所という考え方が必要になるとは思うけど、ここローマでは無理だよ。互いのファンの情熱があまりに激しすぎるのさ。それがローマ流なんだ。僕やネスタのような選手を交換したら、それこそ町がメチャクチャになってしまう。ローマっ子の愛するチームへの思い入れは半端じゃないからね。
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