自分がローマのバンディエラであるという
ことは、僕にとって最高の喜びなんだ
今シーズンの話に戻ろうか。
優勝候補の4チームを君なりに分析してもらえるかな?


T ―― まず、ミランはリーグ戦とチャンピオンズリーグの両方で優勝を狙えるチームだよ。特に攻撃力には目を見張るものがあるな。インテルは、選手層も厚く、攻守のバランスが良く取れたチームになったと思う。ユーヴェは、大きな補強がなかったけど、ディ・ヴァイオの加入は大きいな。彼は、他のFWとは違うタイプの選手だからね。トレゼゲとデル・ピエロに彼を加えた3トップは脅威だよ。アレックスも今シーズンは何か期するものがあるのか、すごく調子が良さそうだし。とにかく、ユーヴェの強みは“勝者のメンタリティー”を持っていることに尽きるね。これは、他のチームにとっては、すごく羨ましいことなんだ。最後に、ローマだけど、弱点が少ないチームに仕上がっていると思う。新戦力の加入はあまりなかったけど、一昨シーズンに優勝を経験した選手が、ほとんどチームに残っているのは大きいよ。この4年間、チームがほとんど変わっていない分、グループとしてのまとまりは4チームの中でもピカイチじゃないかな。継続性こそが僕らの武器だよ。

今シーズンの優勝候補4チームを、それぞれ一語で表すと?

T ―― ミランは“タレント集団”、インテルは“力強さ”、ユーヴェは“勝利のメンタリティー”、ローマは“チームの団結力”。

ローマもかなり有効な補強をしたんじゃない? 
グアルディオラ、ボンバルディーニ、サルトール、デラスらの加入で、確実に層は厚くなっただろう?


T ―― 確かにね。ただ、僕が言いたいのは、新戦力抜きでも僕らは十分に強いチームだったってことさ。そこに新しい戦力が加わって、さらに強いチームになった。特にグアルディオラの加入が大きいよ。彼は、ゲームの流れを読み、ゲームをコントロールする戦術眼に長けた選手だからね。他の選手たちだって、レギュラーになる可能性が十分にあるレベルだし、“使えそうな”メンツがそろったという感じさ。

多くの人が、「今シーズンのローマにおける最大の補強は、カッサーノでは」と言っていることについてはどう思う? 
昨シーズンはいいところがなかったから、“バーリの怪物”にとって、今シーズンが本当の意味での“勝負の年”になるよね。
兄貴分でもある君の意見は?


T ―― うん、アントニオ(カッサーノ)がブレイクする可能性は十分あると思うよ。彼のようなテクニックの持ち主はそうはいない。あとは自分の才能をどこまで“自覚”できるかということだけだろうね。身体を使うと同時に頭を使うことが必要なんだ。冷静にプレーできれば、とてつもない仕事をするはずさ。自分もそうだったから良くわかるんだけど、ある時、急に変化が起こるんだ。それが“自覚”なんだ。彼も、「自分の才能を人に認めてもらうには、おかしな行動ばかり取っていてはダメだ」ということが、自然にわかってくるはずさ。そうなった時、カッサーノは“爆発”するよ。


さっき、ネスタがラツィオを離れて残念だという話が出たけど、君は今シーズンもまた、ジャッロロッソのバンディエラであり続ける。
チームのシンボルでいるというのは、どんな気持ちなんだい?


T ―― 自分がローマのバンディエラであるということは、僕にとって最高の喜びなんだ。「強いローマのキャプテンになって、背番号10を背負っていく」というのがローマっ子で、ローマファンでもあった子供の頃からの夢だったからね。だから、その夢が実現した今、感じる責任が大きくなるのも当然だと思っているよ。今ではローマ市内で、以前みたいに自由に動き回ることもできなくなった。すぐにファンに見つかってしまうからね。ただ、それは、つまり人々から愛されていることの証だろう? 「自分はローマのバンディエラなんだ」と自覚することで、大きな誇りを感じるし、また、そう思うことで大きなパワーが湧き出てくる。これは、他人にはなかなか想像できないことだと思う。僕がピッチ上で人並み以上のプレーができているとすれば、それは僕がオリンピコの観衆と“コミュニケート”できているからじゃないかな。
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