ファンタジーアが戦術の犠牲になってはいけない。
“ベル・カルチョ”は多くのファンが
望んでいるものなんだからね
ヴィエリとクレスポ、それに君を加えた3人を同時に使うのは無理だという意見もある。

R ―― 間違った意見だね。だって、僕とヴィエリは99年からずっと一緒にプレーしていて、お互いの目を見るだけで、次にどういうプレーをしたいのかがわかるくらい理解し合っているんだ。それから、クレスポは、チャンピオンズリーグで抜群の得点能力を見せているし、僕としてはどちらが出て来てもうまくやっていけると思っている。2人が同時に出て来ても、何の問題もないと思っているよ。

ヴィエリとクレスポをどのように見ている?

R ―― 二人ともカンピオーネと呼べるセンターフォワードだけど、プレースタイルはだいぶ違う。ヴィエリはボールをキープできるし、ヘディングも強い。それに、サイドからのクロスにも強いし、密集でも強さを発揮するタイプだよね。クレスポは動きが持ち味の選手なんだ。巧みな動きでゴールを狙うタイプで、エリア内ならどこからでもシュートを打てる。クレスポは、頭でも足でも、とにかく、どんな体勢からでもボールに触れてゴールを奪える選手なんだよ。ヴィエリにはハイクロスがいいかもしれないけど、クレスポにはグラウンダーのパスが有効だと思う。くり返すけど、二人は全然違うタイプのFWなんだよ。

ヴィエリ、クレスポの2トップにレコーバのトップ下というのはどうかな?
結構、やりづらいものなのかな?


R ―― いや、そうでもないよ。チャンピオンズリーグのローゼンボリ戦で前線のトライアングルを組んだんだけど、十分にやれると思った。もちろん、トップ下でプレーする以上、中盤でのカバーリングとか自己犠牲を強いられることは覚悟している。僕自身、あまり守備がうまくないけど、でも、カバーリングだってやるしかないよ。トライアングルが有効なんだということを証明しないとね。だって、トライアングルが今シーズンのインテルの売り物になるかもしれないんだから。W杯でも証明されたように、今は攻撃的サッカーが主流なんだ。守りのことだけ考えているチームは痛い目に遭う。ファンだって攻撃的サッカーを望んでいるだろう? みんなスペクタクルなサッカーを望んでいるのさ。W杯のブラジルが良い見本になってくれたし、レアル・マドリーやミランも多くのカンピオーネを擁して攻撃的なサッカーを実践している。だから、インテルだって、積極的に攻撃的サッカーを試みるべきだと思うんだ。確かに、攻撃的フォーメーションを組むのか、攻守のバランスを重視するのか、相手チームや状況によって戦術は変えなきゃいけないとは思う。でも、それを選択するのはクーペル監督の仕事だよ。

ただ、結果を重視するとなると、なかなか大胆な手は打てないだろうね。

R ―― もちろん、結果を無視することはできないよ。ただ、サッカーの質にこだわる姿勢も必要だと思うんだ。ファンタジーアが戦術の犠牲になってはいけない。“ベル・カルチョ”(美しいサッカーの意味)は多くのファンが望んでいるものなんだからね。

シーズン開幕直後のインテルは決して称賛されるチームではなかった。
プレー自体に混乱があったように思える。
メディアも結構厳しい批判を浴びせていたよね。


R ―― メディアは5月5日を引きずっていたんだ。それに、ミランと比較されたことも僕らにとってはきつい要素だった。リヴァウド、ルイ・コスタ、インザーギ、セードルフ、ピルロ……開幕直後のミランのサッカーは特に華々しかったからね。確かに、ミランのサッカーと比較するとインテルは地味だった。でも、序盤戦を通じてコンスタントに勝ち点を積み重ねたのはインテルだったよね。アウェー4試合で勝ち点12を稼ぐなんて、誰か予想した人がいるかい? チャンピオンズリーグの1次リーグだって6試合で勝ち点11だよ。悪くないだろう? それでも、メディアが僕らのことを悪く書きたいなら、どうぞご自由に、という感じさ。

ただ、君が望むように、スペクタクルなサッカーで結果を残すというのは難しいんじゃないかな?

R ―― もちろん難しいことさ。でも不可能でもない。スペクタクルなサッカーをして、その上で勝つ必要は絶対にあるんだ。だって、ファンの皆は楽しいサッカーを望んでいるんだからね。
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