インタビュー・文●ルイージ・ロニョーニ Interview and text by Luigi ROGNONI
写真●兼子愼一郎、グエリン・スポルティーヴォ
Photo by Shin-ichiro KANEKO/GUERIN SPORTIVO
 フランチェスコ・トルドの仕事は、単にゴールを守ることだけではない。ロッカールームにおいても、ピッチ上においても彼のカリスマ性は際立ち、インテルに加入して2シーズン目ながら、早くも彼はチームの精神的支柱となっている。第6節のユヴェントス戦で、試合終了間際のCKのチャンスに相手ゴール前にまで攻め上がり、貴重な同点ゴールを演出した姿は、まさに精神的支柱と呼ぶに相応しいものだった。

 フィレンツェで過ごした最後の数年間は混乱の日々だった。しかし、トルドは、ミラノでようやくサッカーに没頭できる環境を見つけた。インテリスタが、彼の名を、ゼンガやパリウーカら名GKが名を連ねるネラッズ−リの歴代GK列伝の中に加えているのも、インテルというチームで、その安定したプレーと模範的なプロ意識にさらに磨きをかけたからなのである。

 トルドの苦い記憶――それは、2002年W杯でブッフォンの控えに甘んじ、出場機会が全くなかったことである。そして、トルドの夢は、今まで一度も手にしていないスクデットを獲得することである。つまり、今シーズン、インテルでスクデットを獲得することが、トルドにとって自分自身の夢の実現であり、同時にマーリア・アッズーラの“背番号1”を取り戻すための過程でもあるのだ。
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