文●オマール・ボニーノ text by Omar BONINO
写真●Studio BUZZI photo by Studio BUZZI
今年のミラノの冬は、例年に増して寒くて長い。雨が多いし、それが、しばしば雪に変わる。苛酷な冬である。昨年は1月から3月まで、ほとんど雨が降らなかった。時には太陽が照りつけることもあるほどの暖冬だった。昨年の今頃、シェフチェンコはミラノの陽気に目を丸くしていたものであった。ある意味では、苛酷な冬は、ウクライナの低温に慣れたシェフチェンコへの、天からの贈り物なのかもしれない。

2月8日の午後1時半、我々はミラノ市内の、とあるレストランで昼食を取っている。外は今日も雨。空は灰色である。しかし、シェヴァはすこぶる機嫌がいい。ディナモ・キエフ時代の同僚、カフカ・カラーゼのミラン入りが彼に新たなモティベーションを与えたのであろう。
 そして同時に、シェヴァが新たな責任感を感じていることも確かである。なぜなら、彼が、ミランのチーム強化を担当している副会長・ガッリアーニとGM・ブライダにカラーゼ獲得を進言したのであり、会長・ベルルスコーニに、「僕が保証しますよ」とまで言ってのけたのだから……。

ミラノの空と同様に、ミランの現状は暗い。チャンピオンズリーグではまだ可能性を残しているとはいえ、リーグ戦での成績は目を覆いたくなるようなものである。首位のローマからは大きく引き離され、下位のチームからは激しく追い上げられるという状況。“スーペル・シェヴァ”(シェフチェンコの新しいニックネーム)が常に口にしていたスクデットの夢は、今年も引き出しにしまわなくてはならない雰囲気である。シェヴァはゴールを量産している。だが、シェヴァのゴールをもってしても、いまだ、ミランは浮上できないのである。
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