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異なる4つの町を拠点に7度のリーグ優勝を勝ち取った男、ファビオ・カペッロ。ロッソネーロの監督として4度、レアル・マドリーを率いて手にしたリーガ優勝、そしてローマでの偉業、さらに04−05シーズンはユヴェントスで、そのカリスマ性を十分に発揮してスクデットを獲得した。 カペッロの成功の秘訣は簡単で、誰の目にも明らかである。しかし、真似をするのは非常に難しい。彼の成功の秘訣を語る時、真っ先に挙げられるのが意志の強さである。また、彼は自分の考えを選手に明確に伝える術にも長けている。さらに、戦術にほとんど修正を加えないことも、カペッロ・サッカーの大きな特長である。自らが掲げる戦術やシステムを体現できるということは、システムに不可欠な選手を完璧に把握していると言える。そこに、カペッロ・サッカーの強さがあるのだろう。 ドン・ファビオのサッカーの基本システムとなるのが4−4−2である。初めてスクデットを獲得した1991−92シーズン以降、カペッロが4−4−2を放棄したことは一度もない。厳密に言うなら、アリゴ・サッキからミランを受け継いだ91年の夏から、ずっと同じ4−4−2システムを用いているのである。 ミランの監督に就任したカペッロは、サッキ時代の布陣に若干の修正を加えたものの(FWのポジションにいたルート・フリットをMFに下げた)、1年目にして4−4−2システムでスクデットを獲得し、その機能性を自ら証明した。このシーズンのミランは74ゴールを記録。これは、2位に終わった90−91シーズンと比較すると28ゴールも多い。91−92シーズン、攻守のバランスの良さで他クラブを圧倒したミランは、87−88シーズン以来のスクデットを手にしたのである。 カペッロのミランは92−93シーズン、スクデット2連覇を達成した。豪華すぎる布陣と数多くのカンピオーネたちを1つのチームにまとめあげる苦労を伴ったシーズンでもあったが、彼は4−4−2のシステムに的確に駒を当てはめながら1シーズンを戦い、スクデットを手にしたのである。
そして、3年目の93−94シーズンが、カペッロ独自のスタイルを確立したシーズンとなった。このシーズンのミランの失点はわずか15。これはセリエAが18チーム制となってからの最少失点記録である。もっとも、このシーズンのミランは相手に得点を許さない一方で、得点力に欠けるチームでもあった。シーズン通算得点数はわずか36。これはスクデットを獲得したチームとしては最少得点記録だった。つまり、“点を取られない限り、負けることはない”というカペッロの哲学が如実に表れたシーズンだったのである。攻守のバランスを最重視する監督として評価を高めた要因は、マルセロ・デサイーの起用法にあった。このシーズン、ミランはデサイーを獲得したのだが、カペッロは彼をディフェンスラインの前、中盤の底に据えたのである。強靱な身体能力を有するデサイーをボランチに起用することで、最終ライン(マウロ・タッソッティ、アレッサンドロ・コスタクルタ、フランコ・バレージ、パオロ・マルディーニ)が余裕を持って守備ができる状況を作り上げたのだ。 |
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