本誌記事 WebCALCiO 2002

誰が何と言おうが、少なくとも私は、セリエAはやはり“唯一無比の存在”であると思っている。この夏はまた、イタリアサッカー界では多くの出来事が起こった。その中にはいいことも悪いこともあった。しかし、世界中の注目を一身に集めたという意味で、セリエAはやはり“世界最高峰のリーグ”なのである。

トリノの財政問題やジェノアの八百長問題など、カルチョの醜態を晒すようなスキャンダルもあった。しかし、そのことで逆に、セリエAは世界中のサッカーファンの注目を集めたのである。また、ワールドカップ・ドイツ大会を控えたカンピオナート開幕目前の、各チーム(特に北の3強)の補強政策は非常に積極的なものだった。確かに、現在のイタリアサッカー界は厳しい財政難に直面している。だが、セリエAが世界屈指のプロリーグであることに変わりはない。すでに毎年恒例となった“混迷の夏”を経て、セリエAはまた新たなシーズンを迎えた。

私が今でも「イタリアサッカーが世界一だ」と主張するには、それなりの理由がある。第一の理由は、イタリアサッカーの伝統の重み、言いかえると、イタリア国民のサッカーへの思い入れの強さである。イタリアでは1世紀以上も前からサッカーが行われ、イタリア代表は3回のW杯制覇と1回のヨーロッパ選手権優勝という実績を誇っている。さらに、クラブレベルでもイタリアサッカーは世界をリードし続けてきた。イングランド、スペインと同様に、チャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)で10回、栄光を勝ち取っているのだ。ほとんどすべてのイタリア人が熱狂できるクラブを持っており、自分と同一視するほどそのクラブに傾倒している。自分の愛するクラブが勝てば大騒ぎし、負ければ数日間にわたってふさぎ込む。カルチョとは、それほどイタリア人の心に深く浸透しているスポーツなのだ。

イタリアにはしっかりとした組織を持つクラブが非常に多いということも、セリエA最強説の根拠の一つである。ユヴェントスやミランなどは、組織力、実力の両面で、世界中のクラブの“模範的存在”となっている。

もっとも、それだけではない。さらに、セリエAは多くのカンピオーネがひしめくリーグとしても知られている。過去には、ジュゼッペ・メアッツァ、ジャンニ・リヴェーラ、ディノ・ゾフ、ロベルト・バッジョなどがプレーし、現在はアレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ、ジャンルイージ・ブッフォン、アントニオ・カッサーノ、アルベルト・ジラルディーノといったカンピオーネが技を競っている。もちろん、カンピオーネはイタリア人選手に限ったわけではない。セリエAは多くの偉大な外国人選手の“仕事場”ともなってきた。外国人選手が全盛だった頃には、ミシェル・プラティニ、ディエゴ・アルマンド・マラドーナ、マルコ・ファン・バステンらが活躍し、現在はその伝統をアドリアーノ、カカー、ズラタン・イブラヒモヴィッチらが受け継いでいる。特筆すべきは、彼らの多くが未完成の状態でイタリアにわたり、セリエAでのプレーを通じて、世界中に認められる“真のカンピオーネ”へと成長していったことだ。

また、セリエAは優秀な指揮官の宝庫でもある。ファビオ・カペッロはミランで数多くのタイトルを手にした後、スペインへと渡り、レアル・マドリーを優勝へ導いた。彼はイタリアの監督が高いレベルだということをその手で立証したのである。

確かに、ここ数年はリーガ・エスパニョーラやプレミアリーグが目覚ましい成長を遂げている。しかし、イタリアのセリエAが現在もまだ世界の第一線にあることは疑いようもない事実である。世界で一番美しく、世界で一番難しいリーグは、今でもセリエAであることは間違いないだろう。

もっとも、美しいという点では、もしかしたら他のリーグに譲るところがあるかもしれない。しかし、難しいという点では、間違いなくセリエAが世界最高峰である。世界中を探してもセリエAほど各チームの実力が拮抗しているリーグはない。イタリアで戦前の予想をすることはこの上なく難しい。なぜなら、予想が裏切られることは日常茶飯事であり、実力の優劣が毎週のように変動するからである。そして、それがセリエAそのものであるとも言えるのである。

チームレベルだけでなく、個人タイトルに関しても同様のことが言える。例えば、昨シーズンの得点王はリヴォルノのクリスティアーノ・ルカレッリだったが、カンピオナート開幕前、彼を得点王の候補に挙げた関係者は一人もいなかった。彼は、ジラルディーノ、アドリアーノ、アンドレイ・シェフチェンコ、ダヴィッド・トレゼゲら強力なライバルたちを抑え、通算24ゴールで見事タイトルを獲得したのである。つまり、セリエAでは何が起こってもおかしくないのだ。そのことをイタリアのファンたちもよく理解している。イタリアのスタジアムはあらゆるところに驚きが詰まっている、巨大な“マジックボックス”なのである。

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