スクデットを獲るという欲求、
頂上に達するという意志があるから
僕自身成長できたんだよ
ねぇ、リリアン。
君はパルマを出て行くんだろう?

テュラム(以下T) ── そんなこと誰が言ったの?

サッカー界の常識だよ。

T ── (笑いながら)ああ、そうかい。

こういうことだよ。パルマは来シーズン、チームを一新する。ブッフォン、カンナヴァーロ、そして、テュラム……このうち、1人ないしは2人を除いてパルマを出て行くというのがもっぱらの噂だよ。

T ── 他の選手のことは知らないけど、僕の場合、どうかな。サッカーの世界に移籍は付き物さ。ただ、まだ3月だよ。移籍の話をするのは早すぎるんじゃない?

君はある意味ではバティストゥータと似ていると思うんだ。バティは長い間、フィレンツェでスクデットを求めてプレーしたけど、結局、目的を果たすのはローマということになりそうだ。君の場合も同じようなことが起こりそうなんだけど。

T ── 僕とバティとでは状況が違うよ。

どう違うと言うの?

T ── バティの場合は現実さ。すでにフィレンツェを離れるという決断をし、実際にスクデットに近づいている。正しい決断をしたんだ。ただ、僕の場合は、どの決断が正しいのかわからない。今、それを考えているところなんだ。


過去を振り返りながら、「子供の時、最初に知ったイタリアのチームはミランだった」と言うリリアン。ひょっとしたら彼の将来を暗示する言葉なのかもしれない
横縞から縦縞のシャツ(注:ミラン)に変えるなんてことを考えているんじゃない?

T ── パルマがシャツのデザインを変えることだってあり得るしね(笑)。

君自身、パルマでアンタッチャブル(決して放出リストに載らない選手)だと思っている?

T ── アンタッチャブルな選手なんて存在しないよ。いや、少なくとも、今じゃそう思っている選手はいないと思うよ。それこそ、そう思ったら、引退は近いということだよ。

パルマに残る可能性は何%くらいかな?

T ── 100%さ。今日現在はね。

長年、スクデットを追い求めているけど、なかなか手が届かないよね。

T ── スクデットを獲るという欲求、頂上に達するという意志があるから僕自身成長できたんだよ。ここで5シーズン目を過ごしているんだ。スクデットが手の届くところにあることはわかっているつもりさ。それにサッカーは僕の人生そのものだよ。1日24時間、サッカーのことを考えているさ。“きちんと”プレーをして、勝利を手にすることが僕にとっては最高の報いなんだよ。勝てば勝つほど、幸せな気持ちになれるんだ。

カリスト・タンツィ(クラブのオーナー)もステーファノ・タンツィ(カリストの息子、現会長)も“きちんと”仕事をしてきたけど、それでも、スクデットを獲ることができないでいるよね。

T ── 彼らには何の落ち度もないよ。パルマにはスクデットを獲るだけのメンタリティーが欠けていると言われるけど、少なくとも、タンツィにはあったし、今でもあると思う。むしろ、それは選手に関して言えることかもしれないね。選手のほうこそ強いメンタリティーを持つべきなんだ。これまでを振り返ると、それが欠けていた時期もあったような気がするからね。

君は数週間前、「ここじゃみんな自分のことしか考えていない」と言ったようだけど。

T ── 僕は考えを変えたよ。パルマで気楽に過ごそう、という考えは捨て去ったんだ。チームというのは少しずつ、変わっていくものなんだ。ウリヴィエリ監督の美しい言葉のおかげかもしれない。彼は常に、“我々は”という表現を用いながら話すんだ。そう、チームという共同体であるということを僕らに再認識させてくれたんだよ。

言わなければいけないという責任感があったんだろうけど、責任は君自身が負うということでもあるんだろう?

T ── あれは責任感から出た言葉じゃないよ。ただ、思ったまま言っただけなんだ。チーム全体が同じように考えていたはずだしね。
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