本誌記事 WebCALCiO 2002

ガーナ代表のキーマンの一人であるムンタリは、ウディネーゼでプレーしている

イタリアと同グループに入った国の代表選手は、今回の抽選結果を受けて慎重な発言をしている。ローマのDFサミュエル・クフォーは、報道陣の質問に答えて次のように語っている。「イタリアのような強豪国とやることで自分たちの力のレベルを知ることができる。イタリアと初戦で戦うのはガーナにとってポジティブなことだと思っているよ。僕はたとえイタリアが相手でも、ガーナはいい試合ができると信じている。僕らは地区予選で素晴らしい戦いをした。しかも予選を通じて成長したと思っている。このままドイツに向けてさらに進化するはず。もしイタリアがガーナをなめてかかるようなことがあれば、それは大きな間違いだと言っておきたい」

チェコ代表に限定で復帰したネドヴェドは、W杯でイタリアと対戦することについて複雑な心境にあると話す

イタリアの最大のライバルと目されるチェコのリーダー、パヴェル・ネドヴェドは、一度は代表引退を宣言した。それがノルウェーとのプレーオフ直前に代表復帰、チェコのW杯出場に大きな貢献を果たした。W杯出場について明言は避けているが、彼にとっても初めてとなるW杯に(ネドヴェドは代表では87試合に出場し、17ゴールを記録。これまでにヨーロッパ選手権には3度も出場しているが、W杯は未だ出場したことがない)、「必ず出てくる」とリッピ以下、イタリアのコーチングスタッフは考えている。そのネドヴェドは、イタリアと同じグループに入ったことに関して、「いろいろな理由でイタリアとだけは同じグループに入りたくなかった。それでも、こういう抽選結果になってしまった。試合当日、ピッチ上でどんな気分になるのか想像もつかない。イタリア代表の選手たちは全員が友達だし、監督のリッピは僕をユーヴェで育ててくれた人物。試合は厳しいものとなるだろう。特に、僕にとっては心理的に難しい試合となるはずだ」と出場が当然であるかのように、その複雑な心境を語っている。

(1)ジラルディーノはイタリア代表のエースに上り詰めたが、今シーズン移籍したミランで苦しいシーズンを送っている
(2)今シーズン、ゴールを量産し続けているトーニだが、リッピは彼の起用に対し慎重な態度だ
(3)クラブでの出場機会は少ないが、前半戦の活躍により、代表でのスーパーサブとしての地位を確固たるものとしている

誰をドイツに連れて行くのか。これはまさに、これからの4カ月間、リッピが頭を悩ませるテーマである。リッピはこれまで、「チームの団結力、チームとしてのまとまりを大切にする」と言い続けている。つまり、個人のパフォーマンスには出来不出来があるものだが、特に選手の調子が落ちた時、それを補うのがチームの団結力だということを強調しているのである。だが、W杯のような大きな大会では、往々にして1人のカンピオーネ、1人のフオリクラッセのワンプレーで、勝利をモノにできることがあるのも事実。例えば、フランチェスコ・トッティのファンタジーアが勝利をもたらすことだってあるのだ。トラップ体制下のように、トッティ依存型のチームにはならないだろうが、やはりトッティがトッティらしいプレーをすることがイタリアの勝利への近道だと言える。選手個々としては、ジャンルイージ・ブッフォンがどのようなコンディションでW杯を迎えるのか。これもリッピにとっては気になるところだろう。今シーズン開幕直前のベルルスコーニ杯でカカーと衝突し、肩に負傷を負って4カ月以上も戦線を離脱したブッフォンが、果たして半年後に以前のようなスーパーなGKとしての姿を見せてくれるのかどうかは、リッピにとって若干の不安が残る点である。選手個人のパフォーマンスで言えば、ルーカ・トーニに寄せられる期待はかなりのものである。今シーズンからフィオレンティーナでプレーするトーニは、昨シーズンのパレルモでの活躍同様、シーズン前半戦で、空中戦の強さ、足下でのボール処理の巧みさをフルに生かして、ゴールを量産している。現時点では、ヨーロッパ最高のストライカーの一人だと言っても過言ではない。だが、リッピは、「トーニがこのまま6月までゴールを量産できるとは思っていない。やがて調子が悪くなる時期がやって来るだろう。その時が問題なんだ」と語っている。「トーニがダメな時には、アルベルト・ジラルディーノがいる」と言う人もいる。だが、今シーズンのジラルディーノには、昨年、一昨年の迫力は感じられない。ミランへの順応に遅れたことがプレーに悪影響を及ぼしていると言うべきだろうか。

各選手が不安を抱きながら6月までの準備をしている中、ポジティブな評価を受けているのはアレッサンドロ・デル・ピエロである。今の彼には“貴重なサブ”としての評価が定着している。首位を独走するユーヴェでは、ズラタン・イブラヒモヴィッチとダヴィッド・トレゼゲの“史上最強2トップ”の貴重な控え、代表ではトッティのトレクアルティスタのポジションの貴重な控えと見なされているのだ。今シーズン開幕時、誰もが、「デル・ピエロの時代は終わった」と口にしていた。ところが、今シーズン序盤戦の大活躍で、デル・ピエロの評価は急上昇している。リッピ監督は、W杯本番でもデル・ピエロを“ジョリー”(スーパーサブ)として使う構想を持っているはずだ。

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