本誌記事 WebCALCiO 2002

イタリアにとって、それは幸運な抽選結果とは決して言えないものだった。だが、アッズーリ周辺には楽観的なムードが漂っている。FIGC(イタリアサッカー連盟)会長のフランコ・カラーロも楽観的な発言に終始した。

「ポルトガルで行われたEURO2004の組み合わせは、誰もがイタリアの楽勝を予想するものだった。そう、誰もがグループリーグの首位通過を考えていた。ところが、予想に反してグループリーグ敗退。予想は当てにならないものだよ。むしろ難しいグループに入ったことで気持ちが引き締まるだろう」と笑顔で答えた。

ライプツィッヒでの抽選会会場で、その結果を自分の目で確認したマルチェッロ・リッピ代表監督は、「対戦相手に大きな驚きは感じていない」と語った。彼は、「優勝を狙うチームは相手を選んではいられない。どんな相手にも、すべて勝つつもりでなければ優勝はできない」と言ってのけたのだ。リッピの言葉は自信に満ちているのである。

今回の抽選結果を見る限り、イタリアがトップシードで抽選会に臨んだという事実が霞んでしまっている。相手3チームのうち、2チームまでがFIFAランキングでイタリアより上位にランクされているという奇妙な現象が起こっているのだ。チェコはノルウェーとのプレーオフを制して本大会出場権を獲得したとはいえ、FIFAランキング2位に位置するチームである。

抽選結果を受けて、多くの評論家はアルゼンチンとオランダが同居するグループCに注目した。例によって、“死のグループ”という言葉が会場のあちこちでささやかれたのだ。アルゼンチン、オランダの死闘を予想した後、彼らはイタリアのグループEに注目。イタリアとチェコのいるグループEが今大会の8つのグループで2番目に難しいと判断されたのである。グループEの難しさは単にグループ突破にあるだけではない。このグループを通過したとしても、2位通過であれば決勝トーナメント1回戦で今大会の絶対的本命、ブラジルと対戦しなくてはならないからだ。準々決勝、準決勝に勝ち進むためには、グループリーグを首位で突破しなくてはならないと、監督をはじめ、選手全員が感じているはずである。要するに、グループリーグの3試合すべてで勝利することが要求されていると言っても過言ではないのだ。

組み合わせ抽選会の結果、グループEはイタリア、ガーナ、アメリカ、チェコの対戦が決定した

イタリアの初戦の相手はガーナである。アフリカサッカーで最も急速に力をつけている国であるガーナにとって有利な点は、イタリアサッカーを知り尽くしている選手が少なくとも2人はいるということだろう。昨年の夏からローマでプレーするベテランDFのサミュエル・クフォー、まだ若いがウディネーゼですでに4年目のシーズンを迎え、イタリアサッカーを熟知するMFのアリ・サリー・ムンタリの2人が、イタリアサッカーのすべてを克明にチームメートに伝えるはずである。イタリアは丸裸にされた上、未知の国のサッカーに対峙しなくてはならないのだ。ガーナは、昔からフィジカル面では圧倒的な強さを誇るチームである。そして、ここ数年、テクニックや戦術面でも大きな伸びを示していると言われている。もっとも、情報量の少なさを補うため、リッピは今年の2月、アフリカ選手権を自分の目で視察する予定である。少なくともガーナの試合を3試合見ることで、ガーナのすべてを把握しようとしているのだ。

グループリーグ第2戦の相手はアメリカである。今回の対戦相手の中では、最も“戦いやすい”と見なされているチームだ。しかし、油断は禁物である。アメリカではサッカーの人気が再び高まりつつある。アメリカ国民の大きな注目がサッカーというスポーツに集まる中、代表チームも確実に力をつけ、勝利を重ねてきている。アメリカ代表にはヨーロッパのビッグクラブが興味を示すようなビッグネームはいない。それでも、チームの団結力という点では、もしかしたら参加32カ国の中で最強かもしれない。さらに、各選手の勝利への強い意志も無視できない。世界最大のスポーツ国家が本気で勝てるチームを作ろうとしたら……サッカー大国イタリアにとっても、気の抜けない相手であることは確かである。

グループEを戦う監督たち。左からデュイコヴィッチ(ガーナ)、リッピ(イタリア)、アリーナ(アメリカ)、ブリュックナー(チェコ)

グループリーグ最終戦の相手はチェコ。誰の目からも最強の敵であることに間違いない。グループリーグが開幕前の予想どおり進んだら、最終戦を迎える時点でイタリアとチェコの両者が突破を決めていることになる。本来なら最終戦が両チームにとって消化ゲームとなるはずだが、今大会に関しては両者とも最後の最後まで勝ちにこだわることになるはずだ。前述のように、2位に終わると決勝トーナメント1回戦の相手がブラジルになってしまうのである。ブラジルとの早期対戦を避けたいと思うのは当然のこと。となると、このグループのチームには“第3戦で主力選手を休ませる”という余裕はすでになくなっているのだ。3試合を全力で戦い、すべてで勝利をモノにすることが、このグループEの4チームの監督が描く勝利の方式なのである。

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