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アレックスの居場所は常にユーヴェにある。彼はユーヴェとともに多くの勝利を得、数々のビッグタイトルを手にしてきた。そんな彼の姿を見て、嫉妬の念を抱いたライバルも多かっただろう。だが、雑誌などのグラビアで見かける彼の鍛え上げられた体と、飲料水のCMで見せる笑顔だけでは、本当のデル・ピエロを知ることはできない。実際のアレックスは非常にまじめで心の強い男なのだ。 巨大化し続ける現代サッカー界には、もはや確固たるルールなど存在しない。その中でアレックスは、常に人々の“とりつく島”の一つであり続けている。“模範”という言葉は正直あまり好きではない。なぜなら、それは時に非常に誇張された形で使用されるからだ。しかし、彼になら、この言葉を使ってもいいだろう。この冬、レアル・マドリーに移籍したアントニオ・カッサーノに、彼の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだ。 天才に礼儀作法など必要ない。しかし、もし真のカンピオーネになりたいのなら礼儀をわきまえる必要がある。そうした意味で言えば、アレックスこそ真のカンピオーネと言えるのではないだろうか。 アレックスは自分のやりたいことが何なのか、そして、どうしたらそれを手に入れられるのかをはっきりと認識している。これまで、彼を貶めようとする者は大勢いた。しかし、デル・ピエロはその都度、彼らの悪意を退けてきたのである。 彼はFWとして生まれ、FWとして死んでいくような男だ。今のアレックスはユーヴェでサブに甘んじている。監督のファビオ・カペッロがスタメンで起用しないからだ。しかし、アレックスはベンチにいてもなお、その自尊心を損なうようなことはない。彼は、子供の頃からプロサッカー選手になることを、栄光を手にすることを夢見て育ってきたのだ。そして、その夢をユーヴェで次々と叶えてきた。彼がプロサッカー選手として長い階段を上って来られたのは、その生き方によるところも大きいのかもしれないが、やはりユーヴェという恵まれた環境があったからこそだ。デル・ピエロは一見、新婦の横に控える司祭のように見える。しかし、本当の彼は愛する人のためなら命をも惜しまない孤高の騎士のような強い心を持ったファイターなのだ。 彼はいつも自分の力を周囲に示せる機会を待っている。けがですべてを棒に振る危機に陥ったこともあったが、彼は壊れた破片をもう一度拾い集め、再び前進し始めた。その時もアレックスは世間の批評に黙って耐え忍んだ。もしフランチェスコ・トッティが同じ立場に置かれていたら、感情を爆発させ何をしでかしていたか分かったものではない。 それは1998年11月8日、ウディネーゼとの試合で左足に大けがを負った時のことだった。しかし、アレックスは不屈の闘志で拷問にも似た厳しいリハビリをやり抜き、かつての俊敏さを取り戻したのだ。それから31歳になった今でも、そのスピードは健在である。 93年にユーヴェに入団して以来13年間、彼が白と黒のユニフォームを脱いだことはない。現在のセリエAで、13年以上同じチームでプレーし続けている“バンディエラ”は彼を含めて4人しかいない。最長はミランのパオロ・マルディーニの22年で、その次が同じくミランのアレッサンドロ・コスタクルタの19年。さらに、ローマのトッティの14年が続き、アレックスの記録は現役選手としては4番目にあたるのだ。 パドヴァからやって来た若きデル・ピエロを鍛えたのは、現在シュトゥットガルトの監督であるジョヴァンニ・トラパットーニだ。そして、後任のマルチェッロ・リッピの下でセリエAデビューを果たす。さらに、カルロ・アンチェロッティは、彼がけがから完全復活するのを辛抱強く待ってくれた。しかし、現監督のカペッロからは、“小出し”にされている状態なのである。 |
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