本誌記事 WebCALCiO 2002
ロベルト・プルッツォ
1955年4月1日生まれ。ローマの一員として得点王に2度輝き、82−83シーズンにはスクデットを獲得。得点後にユニフォームを脱いで喜びを表現するパフォーマンスは彼が生み出した

トーニがマンチェスター・ユナイテッドのルート・ファン・ニステルローイ以上だという点でアルトベッリと同意見を持つのは、ローマが生んだ最高のストライカー、80−81、81−82の2シーズン連続でセリエA得点王に輝いたロベルト・プルッツォである。

「もし私がフィオレンティーナのフロントの人間で、マンチェスター・Uからトーニとファン・ニステルローイと交換してくれ、あるいは、チェルシーからドログバとトレードしてほしいと言われても、絶対に断るね。確かに、少し前までのトーニはパワーだけが取り柄の選手という印象だった。だが、今は違う。もちろんヘディングでも強烈なゴールを決めるが、ヒールキックでボールをゴールに流し込むことだってあるし、ペナルティーエリアの外から強烈なシュートだって放つ。あらゆるテクニックをレベルアップさせたと言えるだろう。アッズーリの一員としてもゴールを連発しているし、もはや世界レベルのストライカーであることを自ら立証した。一生懸命練習に打ち込むことで大成した選手の典型だよ。日々のトレーニングは報われる、ということを彼が体現している。今の調子をW杯開幕まで持続できるか? その点については全く問題ないだろう。W杯本番までまだ時間はあるから、コンディションをキープするのは大変だと思うが、幸いにして、フィオレンティーナはヨーロッパカップ戦とは無関係のチームだ。スケジュール的に問題ないと思っている」


クルト・ハムリン
1934年12月19日生まれ。スウェーデン出身で、フィオレンティーナのシーズン最多ゴール記録保持者。セリエAでは通算191ゴールをマーク。58年W杯では母国の準優勝の立役者

トーニのパフォーマンスに苦言を呈す者はいない。誰もが満場一致で絶賛する中、彼は、マラネッロ(フェラーリの工場がある町)でフェラーリを発注し、自身にご褒美を与えた。そのトーニに、フィオレンティーナの大先輩、クルト・ハムリンからも称賛の言葉が届いている。

「トーニはピッチ上で素晴らしいプレーをするだけではなく、ピッチの外でも、とてもポジティブな印象を与えてくれている。彼にはぜひとも、フィオレンティーナを大きな目標達成に導いてほしいと思っている。私が現役の頃に取れなかったタイトル、そう、スクデットをヴィオラにプレゼントしてほしいんだ。スクデットを手にするためには、それぞれのポジションに軸となるカンピオーネが必要だ。FWはトーニで問題ない。あとは、他のポジションだ。トーニは少なくとも32歳くらいまでは今のレベルでプレーできるだろう。もちろん、この先、大きなケガをしないという条件付きだがね。彼のプレーの中で最も気に入っているのは、あれだけの身長があるにもかかわらず、動きが俊敏で、ボールコントロールがうまいというところだよ」


アルド・セレーナ
1960年6月25日生まれ。 インテルの他、ミラン、ユヴェントスでもプレー。88−89シーズン、インテルが記録的な勝ち点でスクデットを獲得した年、22ゴールでセリエA得点王に輝く

一方、ミラン、インテルでボンバーとして鳴らし、現在はMEDIASETで解説の仕事をするアルド・セレーナは、トーニのプレーについてこう語っている。

「彼のバランス感覚にはいつも驚かされるよ。高い身体能力とテクニックを高い次元で融合させているんだからね。相手DFを背負いながら、素早い動きで体を反転させて、そのまま相手ゴールに突き進むなんて芸当を、あれだけの巨体でやってのけるんだから本当に信じられないよ」


ジュゼッペ・シニョーリ
1968年2月17日生まれ。3度の得点王を獲得したラツィオ在籍時、セリエAでの晩年を過ごしたボローニャでは、チームのシンボルとして活躍。現在はハンガリーでプレーしている

最後に、過去3度にわたりセリエA得点王に輝き、37歳になった今でも、ハンガリーのソプロンで現役生活を続けるベッペ・シニョーリが、イタリア代表、ユヴェントスで活躍した偉大なストライカーを引き合いに出してトーニを分析してくれた。

「この数シーズンで、ゴールセンスだけでなく、あらゆる面で上手くなったという印象がある。今のトーニはすべてを兼ね備えたFWだと言っても過言ではないね。それに、チームリーダーとしての風格も身につけたように見える。最近のトーニを見ていると、僕はジャンルーカ・ヴィアッリを思い出すんだ。ヴィアッリほどパワーはないかもしれないけれど、ゴール感覚という面ではヴィアッリを上回っているような気がする」

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