本誌記事 WebCALCiO 2002

この夏は、彼にとっても、彼が所属するユヴェントスにとってもいろいろな意味で熱いものとなっている。現在のユーヴェは、史上空前の大スキャンダルの渦中にあり、ネドヴェドがファビオ・カペッロ監督の下で獲得した2つのスクデット(2004−05、05−06シーズン)も、場合によっては剥奪されてしまうかもしれない。それどころか、ユーヴェがクラブ創設以来初のセリエB(もしくはC)降格となる可能性すらあるのだ。ネドヴェドは逆境に強い男だが、その彼にでさえ、33歳という年齢でセリエBを戦うことは決して楽なことではない。チェコのW杯直前合宿中も、彼の心には多くの迷いがあったようだ。

ミーノ・ライオラは、チェコが準優勝したEURO96の直後、ネドヴェドをラツィオへと送り込んだ辣腕代理人である。その後、「チャンピオンズリーグ制覇を狙えるチームでプレーしたい」というネドヴェドの意向を受け、彼のユーヴェ入り(01年)を実現させた人物でもある。もっとも、ネドヴェドにとってチャンピオンズリーグはいまだに呪われた大会のままだ。02−03シーズン、ユーヴェはマンチェスターで行われたミランとの決勝に駒を進めたが、ネドヴェドは累積警告でその試合に出ることができず、決勝を戦うチームメートの姿を外から眺めることしかできなかった。その日、ユーヴェがPK戦の末に優勝を逸したことは、今さら言うまでもないだろう。

本題に戻ろう。ここ最近、代理人のライオラがネドヴェドにユーヴェを離れるよう勧めているそうだ。フランスリーグのモナコが彼に興味を示しているという噂もある。モナコのフロントは、ネドヴェドが代表合宿中に残した「ユーヴェのファンに一言? 今は何も言いたくない」というコメントをどこかで耳にしたのかもしれない。イタリアとの決戦を前に神経質になっていたのだろうか、ネドヴェドの口からはこんな無作法な言葉も飛び出している。「ユーヴェがどうなろうと僕にとってはどうでもいいことだし、今は何も話したくない」

周囲には間違いなくユーヴェへの別れの言葉に聞こえた。と言うよりも、多くの人にとって、それは恩をあだで返す言葉に聞こえた。「あいつがバロン・ドールを受賞できたのは、ユーヴェでプレーしていたからじゃないか! まだユーヴェへの最終的な処分が下っていないのに、あの言い方はないだろう!」。そんな声が、彼の周囲で聞こえ始めた。

しかしその数日後、彼への不信感がただの誤解であったことが判明する。アメリカを3−0で下して好調なスタートを切ったチェコだったが、続くガーナ戦で0−2の完敗を喫し、グループリーグ最終戦を前に窮地に追い込まれた。彼らが決勝トーナメントへ進出を果たすためには、イタリア戦で何としても勝ち点3を挙げなければならない。ユーヴェに対する厳しい言葉は、そんな状況の中で発せられたものだったのだ。大会期間中、ネドヴェドはチェコのキャプテンとして代表チーム最後の日々を精一杯生きていた。イタリア戦を前にしたミーティングでは、チームメートの前で誰よりも先に口を開いた。ブリュックネル監督よりも早く、ネドヴェドは選手たちに語りかけたのだ。すべての選手が円陣を組み、チェコサッカー界が生み出した最高のカンピオーネの言葉に耳を傾けたという。

ネドヴェドは、チェコ代表の正真正銘のリーダーだ。それだけではない。代表引退後も、彼はチェコサッカー界の重鎮になっていくべき存在にある。その彼が、いくら自分が所属するチームであるとはいえ、敵国のクラブをいたわるようなコメントを口にすることは、少なくともその時点は決してできなかったのである。

そんな状況の下で迎えたイタリア戦。ネドヴェドは、獅子のようにアッズーリに立ち向かった。しかし、彼の前にはユーヴェの盟友、ジャンルイージ・ブッフォンとファビオ・カンナヴァーロが立ちはだかる。ブッフォンはネドヴェドが放ったすべてのシュートを弾き返し、カンナヴァーロとともにイタリアのゴールに頑丈な鍵をかけた。それでも、ネドヴェドは必死の形相でイタリアゴールに襲いかかった。

試合後のネドヴェドは、少し悔しさを滲ませながらも、表情は穏やかだった。そして、W杯を終え、再び人生の大きな分岐点を迎えた彼は、小さな声でこう語り始めた。「とにかく疲れたよ。すべてを出し切った感じだね。今はとにかく休みたい。この先のことはバカンスの後に決める。今日、イタリアサッカー連盟の規律委員会が、ユーヴェに何らかの制裁措置を下すことを決定したそうだね? 今の僕にできるのは、最終的な裁定を待つことだけ。もしクラブが罪を犯したのなら、それを償うのは当然のことだから。残念な気持ち? もちろんあるよ。なぜなら、僕はユーヴェで常に全力でプレーしてきたつもりだから。セリエBに降格する可能性があることも分かっている。ただ、それについては今は考えたくない。W杯の後に、すぐにセリエBなんてあまりにもつらいよ。それに、今は疲れていて何も考えられない。これからすぐバカンスに出掛けて、家族と話し合った上で結論を出そうと思ってる。ユーヴェがセリエBに落ちたとしてもチームに残るかって? それは難しい質問だな……今は何とも言えない。ただ、もし現役続行という結論に達するならば、プレーするカテゴリーはセリエBでもCでも関係ない」

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