本誌記事 WebCALCiO 2002

今シーズンのインテルは、“真のスター軍団”と言うべきチームである。インテルの攻撃陣には、アドリアーノ、エルナン・クレスポ、フリオ・クルース、アルバロ・レコーバと、ワールドクラスのFWが揃っている。イブラヒモヴィッチが彼らとどんなコンビネーションを築くのか、あるいは、どんなポジション争いを見せるのかは非常に楽しみだ。

「イブラヒモヴィッチは世界最高のストライカーの一人だ。 世界中のどの監督も彼を欲しがるはずだ。 もちろん、私もその例外ではない。 ペナルティーエリア外でも仕事ができるところが彼の魅力だろうね。 ゴールが少ないという批判もあるようだが、私の意見はそうじゃない。 イブラはピッチのどこにいても決定的な仕事ができる選手なんだ。
相手チームの立場で考えてみたら、常に気の抜けない恐ろしい相手だよ。 起用法についてはこれからじっくり考えるつもりだ。 彼と話し合うことも必要だろうね」

また、若くて血気盛んなロベルト・マンチーニ監督とどんな関係を築いていくのかも興味深いところ。現役時代のマンチーニは、稀代のスター選手だった。それだけに、わがままなフオリクラッセの扱い方を心得ている。しかし、天才だけに辛抱強くないのが欠点でもある。あきらめが早く、すぐに選手の首のすげ替えを始めてしまう。カペッロのように有無を言わさぬ態度で、選手たちを統括していくタイプの指揮官ではないのだ。そのあたりが、イブラのプレーにどんな影響を与えるのかにも注目したい。

ともあれ、インテルがルーカ・トーニではなくイブラヒモヴィッチを選択したというのは、ある意味、当然の結果のように思う。この2人の中で、より“アブノーマル”なのがイブラヒモヴィッチだからだ。不思議なことに、何をしてくるか予測できないタイプの選手ほどインテルに集まるのである。

イブラヒモヴィッチは、今後のサッカー界で一時代を築く可能性を持った素晴らしい選手である。ユーヴェからインテルへと環境を変えても活躍するようであれば、彼の評価は飛躍的に高まるはずだ。それを現実のものにするためには、今シーズンのプレーが重要となる。しかし、その一方で、インテルでのイブラが闇にはまり込んでしまう危険性も否定できない。これまで、何人の選手がインテルでの身のふり方を誤り、自らの才能を台無しにしたことか! イブラとアドリアーノの2トップは確かに魅力的だ。しかし、このコンビは大きな袋小路に迷い込むリスクも背負っている。

かつて、「GKは少しクレイジーなほうがいい。狂気がGKを鍛え上げる」と言われていた時代があった。今、我々は、その考えをもう一度思い出してみるべきなのかもしれない。ただし、この混迷の夏にクレイジーになったのはストライカーだった。今年ほど多くのFWが、狂乱の夏を過ごしたことがあっただろうか。ビッグチームへの移籍を希望しながら、最後にはフィオレンティーナ残留を決めたトーニ、リヴォルノのアルド・スピネッリ会長と激しい対立を繰り広げたクリスティアーノ・ルカレッリ、そして一時はサンプドリアへの入団を決めながら、結局はアタランタに加入したクリスティアン・ヴィエリ。そして、ドタキャンを繰り返してユーヴェの顔に泥を塗った後、インテルという“贅沢な新天地”にどっかり腰を下ろしたイブラヒモヴィッチ。この夏、私の頭の中は、「まともな知性を持ったストライカーは、どこに行ってしまったのか?」という疑問が生じなかったわけではない。それでも、「最高にクレイジーな2トップを選ぶとしたら誰だろうか」と問われれば、私なら迷わずイブラヒモヴィッチとヴィエリを選ぶのだが、皆さんの意見はどうだろう?

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