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つい先日まで、ユーヴェにとってはるかに格下だったパレルモは、フランチェスコ・グイドリン体制の下、中盤に厚みを加えてユーヴェなきセリエAの上位争いに食い込んでいる。現在のパレルモの実力は本物だと言っていいだろう。彼らの躍進は、ユーヴェ不在という理由だけで可能になるものではないのだ。今のユーヴェが以前のようにパレルモを軽くあしらえるとは思えない。逆に、中盤の主導権争いでは、ユーヴェはパレルモに後れを取るだろう。両チームのゲームメーカー、エウジェニオ・コリーニとクリスティアーノ・ザネッティを比較すると、その差が明らかとなる。ヴィエラがいた昨シーズンのユーヴェの中盤は、どのチームにも負けない力強さを見せていたのだが……。中盤での主導権争いに敗れるようであれば、いくらユーヴェの守備陣が安定していたとしても、FWのアマウリに強烈なパンチを食らうのが関の山である。 ローマは現在のセリエAで最も華やかなサッカーをするチームだ。もっとも、ただスペクタクルであればいいというわけではない。華やかなサッカーが勝利に結びついているかどうかが問題なのだ。その点、彼らは今シーズン、申し分ない成績を収めている。また、ローマにはフランチェスコ・トッティがいる。彼はミランやサンプドリアを相手にスーパープレーを披露し、完全復活を宣言。トッティが復調したことで、ローマは完全にユーヴェを引き離したと言ってもいいだろう。彼はこの世にただ一人しかいない絶対的な存在だ。イブラヒモヴィッチ同様、トッティのようなプレーができるのはトッティだけなのである。 カンピオナートで苦戦しているミランとフィオレンティーナも、今のユーヴェより戦力はワンランク上だ。ミランは開幕時のマイナス8ポイントのペナルティーが、メンタル面に悪影響を与えたことは間違いない。今、ミランは一つの時代が終わりを迎えつつあるのだろう。それでも、このチームが確固たる組織力を持っていることを否定する者はいないはずだ。彼らにとって痛かったのは、カルチョ・スキャンダルのペナルティーだけではない。“カルロ・アンチェロッティのミラン”で一時代を築いたカンピオーネたちを失ったことによるアイデンティティーの喪失も大きな痛手となった。昨シーズン終了後、アンドレイ・シェフチェンコだけでなく、マヌエル・ルイ・コスタ、ヤープ・スタムまで失った。ミランはその穴埋めに失敗したのだ。今夏獲得したリカルド・オリヴェイラやヨアン・グルキュフでは、不調に陥ったチームを立て直すだけのメンタル面での強さを維持できなかったのである。この2年間、ミランはユーヴェとの直接対決でほぼ互角の勝負を演じてきた。もちろん、今のミランとは別物だったのかもしれない。だが、相手のユーヴェにしても、今よりもはるかに強いチームだったことは確かである。 フィオレンティーナを論じるのであれば、アドリアン・ムトゥの活躍を無視することはできない。ムトゥは、カペッロ政権下のユーヴェでの働きを評価されてヴィオラに加入した。今シーズン、ユーヴェからヴィオラに移ったムトゥとヴィオラからユーヴェに移ったヴァレリ・ボジノフの間には、チームへの貢献度に歴然たる差がある。ワールドカップの疲労からか、ここ何年かの迫力に陰りの見えるルーカ・トーニに対し、ムトゥはヴィオラに大きな勝利をプレゼントしているのだ。またヴィオラは、昨シーズンの“剛健なユーヴェ”にも善戦している。昨シーズンの直接対決は1分け1敗と負け越しているが、内容ではユーヴェを上回っていた。カルチョ・スキャンダルに巻き込まれて低迷しているものの、本来の実力を発揮できていればチャンピオンズリーグ出場権を獲得してもおかしくない。ボニペルティの言葉を借りれば、“UEFAカップ・レベルのユーヴェ”よりも実力はやや上と見ていいだろう。 ラツィオもディディエ・デシャン監督が誇る組織を混乱に陥れるだけのチーム力を擁している。継続性に欠け、実利的なサッカーをしているとは言えないが、スピード溢れる攻守の展開と切れ味鋭いカウンター攻撃で、ローマにも匹敵するような見応えあるサッカーを見せている。実は、ラツィオはユーヴェとの相性が良く、“ユヴェントス”という名前に臆することのない数少ないチームの一つ。昨シーズンのデッレ・アルピでの対戦は、退場者を出しながらも1−1で引き分け、内容的には勝っていてもおかしくないものだった。強いユーヴェ相手に互角以上のサッカーをしたラツィオが、“弱体化”した今のユーヴェに劣るとは思えない。 |
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