本誌記事 WebCALCiO 2002

EURO2012開催地は、4月18日にウェールズのカーディフで開かれるUEFA総会での選挙によって決定される。果たしてイタリアはEURO2012の開催国となれるのだろうか?

05年11月にマルタで行われた予備選挙で圧倒的な票を勝ち取ったイタリアが、クロアチア・ハンガリー共同開催案、ポーランド・ウクライナ共同開催案を抑え、本選挙でも楽勝すると思われていた。だが、その後、周知の事情により状況ががらりと変わった。昨年まではほぼ手中に収めていた開催権獲得が定かではなくなったのだ。

今、ここでイタリアにとって有利な点と不利な点を検証してみよう。まずは、確実に不利な要素となっているのが、カルチョ・スキャンダルで失墜したFIGC(イタリアサッカー連盟)のイメージである。つい最近、ジャンカルロ・アベーテが正式にFIGC会長に就任したことで落ち着きを取り戻しつつあるが、昨年9月にイタリアを訪問したUEFAの調査団は、イタリアサッカー界が大きな混乱を呈しているとの印象を受けたという。ちょうどその時期、FIGC会長代理を務めていたグイド・ロッシが『TELECOM』社の招きを受けて連盟を去ったばかりで、イタリアサッカー界はまさに混沌の中にいたのだ。UEFAの公式訪問に対応するイタリア側の委員会にしても、代表役に最初はガンベラーレ(ロッシの右腕)が就いたものの、同氏の辞退によってコッチャ(ロッシの臨時代役)が入れ替わりで受け継ぐなどのドタバタ劇が繰り広げられていた。これではUEFAの調査団が疑念を抱くのも無理はない。

また、UEFAの調査団は、イタリアは他の開催候補国よりも積極的な意欲が感じられなかったという。政府は正式に支援を表明しているものの、もう少し積極的な意思表示が期待されていたのだ。ここ数カ月間のイタリアが示してきたのは、EURO2012開催があたかもすでに決まったのかのような、自信と余裕にあふれた態度である。実際、イタリアが示すプロジェクトのデータや技術面での保証は、他の開催候補国よりも高水準だ。スタジアムに関しては多少の疑問点が残るようだが(例えば、ナポリの新スタジアム建設のプロジェクトは詳細が不足している)、イタリアがクロアチア、ハンガリー、ポーランド、ウクライナに比べてヨーロッパ選手権開催の条件を満たしている国であることは確かである。

さらに、イタリアにとって決定的となると思われる地理的、政治的要素がある。ドイツW杯が終了し、次の2010年W杯が南アフリカ、そして、2014年W杯を南米で開催することが決定している今、ヨーロッパはこれからの数年間、世界のサッカー界において中心的役割を果たすためにも強くアピールしていかなければならない。EURO2008はスイスとオーストリアの共同開催であり、インパクトに欠けることは否定できない。従って、その次のEURO2012こそ、ヨーロッパサッカーの偉大な伝統を誇る国で開催する必要があるはずだ。

考えてみれば、96年のイングランド大会以降、ヨーロッパの“ビッグ5”とされる国でヨーロッパ選手権は開催されていない。ヨーロッパサッカーは2012年に世界に対して強いインパクトを与えなければならないのだ。これこそ、まさにイタリアが勝利を手にするための絶好の切り札である。もっとも、ウクライナのロビーストが割り込んできて、イタリア開催の邪魔をしなければの話だが。


4 / 4