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現時点で選手獲得の動きがないからといって、ミラネッロから活気が消えたわけではない。アンチェロッティにとって新シーズンに向けた最大の戦力補強は、カンピオナートとチャンピオンズリーグにフル出場できるようになったロナウドの存在である。ロニーのモティベーションはかつてないくらい高い。ただ、ロナウドに関する不安はフィジカル面にある。これまでにさんざん酷使してきた肉体だけに、シーズン前半戦での消耗が危惧されるのだ。 アルベルト・ジラルディーノはミラン残留を決めた。彼は若さの勢いでステージに立ったバレエダンサーのようだ。昨シーズンの彼のレパートリーは欧州の舞台では通用しなかった。だが、再挑戦で成功しないとは限らない。ミランは彼のポテンシャルを信じている。また、アテネの英雄、フィリッポ・インザーギはこの夏に34歳となった。年齢的なハンディは否定できない。ただ、彼は自己管理のできる選手である。アンチェロッティが彼をかつてのジョゼ・アルタフィーニのような起用(スーパーサブ)をすれば、重要な試合で彼のゴール感覚が生きるという場面が出てくるだろう。
リカルド・オリヴェイラは、リーガ・エスパニョーラのサラゴーサに旅立った。ただ、彼が去ることを嘆き悲しむミラニスタはいなかった。ということは、彼の放出はミランにとって手痛いものではないということである。それでも、ビッグタイトルを手にするには、レギュラーを任せられるだけの実力を持ったFWを獲得したいところだ。今夏の補強候補に挙がったのは、サミュエル・エトオ、ロナウジーニョ、アンドレイ・シェフチェンコ、ディディエ・ドログバ、アントニオ・カッサーノといった面々である。 取れる取れないの話はあるにせよ、私はドログバの獲得が望ましいと考えている。彼が、センターフォワードもセカンドストライカーもこなせる万能型FWだからだ。ドログバは、ミランのどのFWと組ませても機能する資質を備えている。ロナウジーニョは2列目でカカーと並べる起用法が可能だろうが、カカーがいる時点で、ミランにとってロナウジーニョは絶対に必要な選手というわけではない。バルセローナに残ってもらっても構わないのだ。むしろ、ミランに必要なのはエトオだろう。彼は、ジョージ・ウェアやスアーソと同タイプのFWである。ゴールを量産すると同時にアシストもできる。 ティエリ・アンリが加入し、リオネル・メッシが大スターとなり、デコの残留が決まったバルセローナ。その豪華なバルサの陣容は、“欧州のセレソン”と呼ぶに値するものだ。ただし、スーパースター揃いのブラジルが、ドイツでのワールドカップで冴えない結果に終わったことを考慮すると、ガッリアーニの“待機作戦”は有効に思われる。 確かに、ミランはメルカートで大きな動きを見せていない。チャンピオンズリーグの優勝祝いとして、メルカートで大盤振る舞いをしてもおかしくないクラブが、である。インテルナシオナウから獲得したブラジルの若きスター、パトは“第2のカカー”になる可能性を秘めているが、即戦力ではない。だが、ガッリアーニは「焦ってなんかいない」と装って、バルサのジョアン・ラポルタ会長の出方を待っているのだ。ロナウジーニョでもエトオでもいい。どちらかがバルサの構想から外れた場合、ラポルタ会長はミランに引き取りを打診してくるだろう。ミランはそれを待っているのだ。
バルサから誰も獲得できないという状況を想定して用意されたのが、シェフチェンコ復帰という選択肢である。だが、“新車が中古車になって戻ってくる”といった感じは否めない。ミランの選手の多くは、自らが希望してイングランドへと渡ったシェヴァの復帰に反対しているという。アンチェロッティもシェヴァが戻ることには否定的である。ただ一人、相変わらずシェヴァびいきのベルルスコーニ会長が、シェヴァ獲得を推進しているようだ。果たして、来シーズン、シェヴァは何色のユニフォームを着てプレーするのだろうか。 |
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