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カカーにとって、レアル・マドリーの誘いに耐えるのは、結婚式を挙げるまでセックスを我慢したこと以上に大変だったのではないだろうか。少なくとも、今のところはその誘惑に耐え切っているようだ。だが、レアルが怖いのは資金力とともに執念深さも持ち合わせているところである。彼らが簡単にカカー獲得をあきらめるとは思えない。今後もあらゆる手段を講じて獲得を試みてくるはずだ。ミランにとってもカカー防衛は将来に向けての死活問題である。アテネでのミランは1トップ(インザーギ)の背後でカカーに自由を与え、その下にレジスタとダブルボランチを配置した。一発勝負のトーナメントでは、これが最良のスタイルだろう。このスタイルこそアンチェロッティが慣れ親しんだものであり、チーム全体の特徴にも合っていると言える。 中盤の底にエメルソンの名前が挙がったこともあったが、今ではその可能性はほぼ消え去っている。ガッリアーニは、中盤を背後から支えることができる選手として、アントニオ・ノチェリーノの獲得を考えているようだが、ユヴェントスがノチェリーノ放出を許すとは思えない。 毎年のように言われていることだが、DF陣の若返りも急務だ。パオロ・マルディーニの年齢と、アレッサンドロ・ネスタのケガの多さを考えると不安にならざるを得ない。チームの高齢化はミランに批判的な評論家に再び勢いを与える問題と言っていいだろう。新シーズンのミランは、当然のごとく、チャンピオンズリーグとスクデットの両方を狙うことになる。ミランを批判する者たちは、口を揃えて「この顔ぶれでは無理だ」と言う。この言葉に、「昨シーズンのチャンピオンズリーグ制覇は、セリエAを“捨てた”からこそ成功したものだ」というニュアンスが含まれていることは明らかだ。だが、そういう評論家たちも、今回はさすがに「ミランはまたやってのけるのではないか」と心のどこかで思っているはず。いずれにしても、ミランの高齢化は数年前から始まっていることだ。アンチェロッティは、ベテラン勢を切るのではなく、彼らの長所だけをピッチ上に反映させる方法をつかんだように見受けられる。
ミランの雰囲気は、ポーカー・プレーヤーのそれに似ている。9回負けても構わない。最後の1回の大勝負に勝てばよいのだ。「ミランは常に運に助けられてきた」という言葉は間違っている。彼らは、勝つための方法を事前に見極め、それを実践することでタイトルを手にしてきた。運任せに突き進んだ結果が吉と出たわけでは決してないのだ。ただ、ミランが、長いカンピオナートの戦いをマラソンランナーのように走り続けるより、スプリンターのように作られたチームだという感は否定できない。ミランの場合、チャンピオンズリーグよりも、宿敵インテルに競り勝たなくてはならないセリエA制覇のほうが、難しい課題のように思える。 とにもかくにも、ベルルスコーニは内心ほくそ笑んでいるだろう。「ミランには若返り対策が必要だ」と書かれるたびに、ミランの運命は栄光に近づいていくようなものなのだから。 |
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