本誌記事 WebCALCiO 2002

イタリアvsフランスは、EURO2008出場を狙う両チームが死力を尽くす好ゲームとなるはずだった。しかし、友好ムードは、試合の2日前に死去したオペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティの顔がスクリーンに映し出され、両チームのファンが追悼の拍手を送った間だけ。フランスの選手たちが姿を見せると同時にスタジアム中から湧き上がったブーイングは、フランス国歌の『ラ・マルセイエーズ』が流れる間も止まなかった。試合後、キャプテンのカンナヴァーロを始めとするアッズーリの選手たちは、口々にこの行為に不満を述べている。ジャンルイージ・ブッフォンは、「不穏な空気に気づいて、僕たちは人々をなだめようとしたけど、礼儀を欠く行為を止めることはできず、醜態を晒してしまった。試合が始まる前から、イタリアは負けてしまったようなものだ」と語った。フランスのファンは、ベルリンでの後味の悪い敗戦からわずか2カ月後、フランスホームでのイタリア戦でも、イタリア国歌にブーイングなどしなかったのに……。

響き渡る悪意の口笛に、アッズーリの選手たちは戦意を削がれてしまったのだろうか。その後の90分、試合は“冴えない”ものになった。サン・シーロのピッチでプレーしていたのは、ベルリンのアッズーリとは全く違う、闘争心に欠けたチームだったのである。パトリック・ヴィエラとクロード・マケレレの2人にアンドレア・ピルロが封じ込められると、アッズーリは攻め手を失ってしまう。2トップは孤立し、フランスの守備陣に脅威を与える攻めがほとんどなかった。デル・ピエロは精彩を欠き、ディフェンスラインとの駆け引きを繰り返すインザーギに良いパスを供給することができなかった。

ただし、DF陣は覇気溢れるプレーを見せた。W杯後に調子の上がらなかったカンナヴァーロがW杯の時のような絶好調ぶりを見せれば、バルツァーリも周囲の懐疑論をはねのける安定したプレーで、ティエリ・アンリとニコラ・アネルカに仕事をさせない。フランスの大きな武器であるフランク・リベリーも、ジャンルーカ・ザンブロッタが完全に抑え切った。それだけではない。ザンブロッタのオーバーラップはしばしばリベリーを守勢に回らせた。

結局、試合は見せ場のないままスコアレスドローに終わった。技術的に大きな問題があったわけではない。戦術的にもレベルの高さは確認できた。しかし、「絶対に勝ち点3を取る!」という積極性はほとんど見られなかったのである。何より、この大一番を楽しみにしていたファンの期待を裏切る結果だった。ただし、ドナドーニ監督は未来を見据えてこう語っている。「悪い結果ではない。選手たちは全力を尽くしてくれたし、私は満足している」。落ち着いたその態度は、「予選はそんなに簡単なものではない。最後まで戦いは続くのだ」と物語っていた。

因縁と論争だらけのこのフランス戦、最後の論争はインテルに飛び火した。インテルの試合にはコンディションが万全ではないと言って出場を渋っていたヴィエラが、フィジカルの問題など全く感じさせないプレーを90分間続けたことに、インテル首脳陣が文句をつけたのである。ロベルト・マンチーニ監督は「チャンピオンズリーグも控えているのだから、無理はしないでほしい」と述べるに留まったが、彼の片腕であるシニシャ・ミハイロヴィッチは、もっと手厳しい言葉で彼のプロフェッショナル精神の欠如を叱責、インテルのチーム内に重い雰囲気を漂わせることになった。

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