本誌記事 WebCALCiO 2002

フランス戦の後も、論争は続いた。 チャンスを作るどころか前を向いてプレーすることもままならなかったデル・ピエロを、マスコミが総攻撃。 後半途中にアントニオ・ディ・ナターレとの交代でピッチを去る際、大ブーイングを浴びるデル・ピエロの映像が繰り返し流され、彼を代表で起用し続けることの是非が議論された。 また、フランス戦に受けた警告でジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾがウクライナ戦で出場停止。 これもドナドーニ監督にとっては頭の痛い問題である。

ドナドーニ監督の手腕についての批判も絶えない。 ファビオ・カペッロは「ケガ人続出の苦しい状況の中で、最善を尽くしている」と擁護したが、チェーザレ・マルディーニは、「苦しい状況を乗り切る方法を知らない。 経験不足だ」と切り捨てた。

キエフに向けて出発するまでのアッズーリはミランの練習場であるミラネッロを借りて合宿を行っていたが、正門前に集まったファンとの交流をドナドーニが拒否。 休養日にはファンサービスを行うのが常となっているアッズーリでは異例のことで、ファンを失望させるとともに、チームにピリピリとしたムードが漂っていることを裏づけた。

しかし、「勝利が最良の薬」とはよく言ったものである。 9月12日のウクライナ戦で、不安の大部分は吹き飛んだ。 アッズーリは敵地キエフでウクライナに競り勝った。 世論の圧力に屈したのか、あるいは彼自身の決断だったのか、ドナドーニはデル・ピエロをスタメンから外しただけでなく、ベンチ入りさえさせなかった。 デル・ピエロがスタンドから見守る中、彼の代わりにスタメンに抜擢されたディ・ナターレが、2ゴールを決めてアッズーリを救ったのである。 ドナドーニはフランス戦からスタメンを5人入れ替えた。 その全員が素晴らしいプレーを見せ、勝利に貢献している。

スコアこそ1点差だったが、アッズーリは素晴らしい内容のサッカーを見せた。 アンドレイ・シェフチェンコに1点を奪われたものの、ブッフォンがファインセーブを連発。 フランスの執拗なマークから解放されたピルロが自由自在のゲームメークを見せた。 出場停止のガットゥーゾの代わりにピルロをサポートしたのはマッシモ・アンブロジーニだ。 労を惜しまぬ動きでピルロを助けただけでなく、高い位置でのインターセプトから、オフサイドラインをかいくぐって走るディ・ナターレに絶妙なスルーパスを通して決勝ゴールをアシスト。 ミランでの好調ぶりを見てチャンスをくれたドナドーニの信頼に見事に応えてみせた。

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