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ミゲル・ムニョス、ジョヴァンニ・トラパットーニ、ヨハン・クライフ、フランク・ライカールト、そして、カルロ・アンチェロッティ。これまでチャンピオンズリーグ(もしくはチャンピオンズカップ)を選手および監督として制覇したのは、わずかに5人しかいない。この事実だけでも、アンチェロッティはすでにヨーロッパでも超一流のサッカー人の仲間入りを果たしていると言える。 しかもアンチェロッティは、最も獲得が難しく最も貴重なトロフィー、ビッグイヤーを2度に渡って手にしている。特に、厳しい条件が重なった昨シーズンの優勝は高い評価に値する。昨シーズンのミランは、チャンピオンズリーグでは予備予選からのスタートを強いられ、カンピオナートではマイナス8ポイントのペナルティを科せられていた。それだけではない。主力選手の相次ぐ故障や2シーズン前までのエース、アンドレイ・シェフチェンコ放出後に迎えた初のシーズンだったこと、主力組のドイツ・ワールドカップでの疲労……。昨シーズンのミランは、こうしたさまざまなマイナス要因を抱えていたのだ。さらに、最後には2005年のイスタンブールの悪夢というプレッシャーがロッソネーロを襲った。だが、彼らはそんな状況にあっても大仕事をやってのけた。これらのマイナス要因を克服してのチャンピオンズリーグ制覇は、まさに快挙と言っていいはずだ。 これから10年、いや20年、我々の多くは06−07シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝、ミランvsマンチェスター・ユナイテッド(ミランが3ー0で勝利)を語り続けることだろう。ミランは豪雨のサン・シーロで、まさに“完璧な嵐”になってマンチェスター・Uを流し去ったのである。戦術面というよりメンタル面で完璧な準備をして試合に臨んだこの日のミランは、アンチェロッティ監督の最高傑作だった。 アンチェロッティの人間性をより明確に表した試合は、おそらく03年5月28日、マンチェスターのオールド・トラッフォードで行われたユヴェントスとのチャンピオンズリーグ決勝だろう。PKによって勝敗が決したこの試合、シェフチェンコが勝利のPKを決めた瞬間、アンチェロッティは狂喜して選手に走り寄った。だが、ジャケットがキツ過ぎたのか、それともポケットが小さかったからなのか、あるいは手が汗でベトベトだったからなのだろうか、ポケットから手が抜けなくなってしまったのだ。ポケットに手を突っ込んだまま狂ったように走り回ったカルレットのユーモラスな姿を、私は今でも忘れることができない。 |
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