

代表51試合目。カモラネーシの動きがあまり良くなかったため、同サイドのパヌッチはそのカバーリングに専念、右サイドでオーバーラップを仕掛けるシーンはほとんどなかった。それでも、ロスタイムに極めて重要なゴールを記録している。右サイドから飛び込んだフリーのヘディングを外した直後に、ピルロのFKをファーサイドで押し込み、イタリアの予選突破を決定づけた。

代表80試合目。この日のパフォーマンスは彼の代表キャリアにおける最悪のものだったかもしれない。同点ゴールは彼のキャッチングミスから生まれたもの。その直前にも、ポジショニングミスから完全に打ち破られたシーンがあった(ピルロのクリアで失点は免れている)。相手CKでの飛び出しのタイミングにも不安定な面を露呈した。

代表での19試合目。彼はこの日、キャリアにおける最高のプレーをした。90分間、マクファデンにペナルティエリア内で何の仕事もさせなかったディフェンスは大きな評価に値する。マテラッツィがケガで抜けたセンターバックのポジションの穴を、最高の形で埋めた。

90分間集中した守りを見せた。相手の攻撃のバリエーションが少なかったとはいえ、果敢に前に出てピンチを未然に防いだプレーは評価に値する。ドリブルで抜かれたのは1回だけ。特に、同点にされてからの最も危険な30分間は完璧なディフェンスを披露した。

ブラウンが仕掛けるサイドアタックの対応に追われるシーンが多く、本来の積極的なオーバーラップは見られなかった。それでも、キックオフ早々のトーニの先制ゴールはザンブロッタのスローインから生まれたもの。いつもと違った形の“お手柄”となった。ただ、終盤は完全にスタミナ切れ。スコットランドの猛攻を浴びている。

代表68試合目。いつものように、唸り声を発しながら厳しいプレスをかけてピッチ上を走り回った。ただし、相手のボールを何度も奪ったが、同じくらいのパスミスもしている。特に、相手エリア周辺でのラストパスのほとんどが精度を欠くものだった。クラブでの疲れがあったのか、本来の精力的な動きを見せたのは60分ほど。その後はスタミナ切れでデ・ロッシと交代している。

雨でスリッピーになったハンプデン・パークのピッチはピルロにとっても難しかったのだろう。本来のパス回しができずに苦戦を強いられている。時として好パスをフィードしたが、それ以上に、中盤の低い位置でのミスパスからピンチを招くことのほうが多かった。それでも、ゴールマウス内のライン上で相手シュートをヘッドでクリア、そして、ロスタイムにパヌッチの決勝ゴールを引き出したFKなど、イタリアを勝利に導く決定的な仕事をしているのは見事である。

代表として30試合目のこの日、その底知れない破壊力を遺憾なく発揮した。試合開始早々、ディ・ナターレのグラウンダーのクロスを俊敏な動きでゴールに結びつけた。ブンデスリーガでのトーニは公式戦で早くも13ゴールを記録する絶好調だが、この日のゴールは代表での13本目となった。ゲームの終盤、スコットランドの攻勢が続く中、1人前線に残り、ボールをキープして味方の攻め上がりを待ちながら、相手のファウルを誘い、守備陣に“一息入れさせる”ための貴重なFKを手にした。

相手にボールが渡った時にその攻撃を遅らせるというのが彼に託された仕事。彼はその仕事を完璧な形でやり遂げた。ゴールを狙って前線に上がったのは1度だけで、それはシュートミスに終わったが、それ以外は、中盤からの守備を見事にコントロールしたと言える。ミランでの好調を代表チームにうまく持ち込むことができた。

ケガによる長期戦線離脱からの復帰戦。ドナドーニはイアクインタでなくカモラネーシを選択した。だが、この日のカモラネーシは本来のプレーからはほど遠い出来で、決定的なチャンスでのシュートミスがイタリアを苦戦に引き込んだ。ただ、ダイナミックな動き、相手の攻撃の芽を摘む守備は評価に値する。

終盤、理解しがたい交代でピッチに上がった。だが、中盤に投入されたキエッリーニは、グラディエーターぶりを発揮、数分間、相手と激しいぶつかり合いを演じた。その結果、レフェリーの“好意”で得たFKから決勝ゴールが生まれたのだから大きな仕事をしたとも言える。ちなみにキエッリーニはグラスゴーで全く知られていないようで、場内アナウンスでは“チェッリーニ”と呼ばれていた。

ザンブロッタのスローインから巧みなドリブルで左サイドを突破、絶妙なタイミングのクロスでトーニの先制ゴールを導くまでの一連のプレーは見事。さらに、副審のミスジャッジで取り消されたのは残念だったが、ゴール前での俊敏な動きからゴールにボールを流し込んだプレーも鮮やかだった。前半の45分は攻撃だけでなく、そのスピードを守備面にも生かしてピンチの芽を事前に防いだ。

1−1に追いつかれてからの精神的に難しいタイミングで投入されたことが、彼にとっては不運だったと言うべきか。相手DFハットンとの競り合いにことごとく負けてしまった。フレッシュなイアクインタよりも疲労したディ・ナターレのほうが機能していたという印象を残した。
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