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私はその後、オランダのサッカークラブでの食生活も体験した。食に関する習慣では非常に頑固で、何も変えたがらないオランダ人だが、食事のたびに出てくるピーナッツ・バターの異常な量には驚いたものだ。何にでもピーナッツ・バターが入っているのだ。ジャムとピーナッツ・バター、チーズとピーナッツ・バター、サラミとピーナッツ・バター……。想像を絶するような食べ合わせの連続だった。 その前年、ベッペ・ドッセーナに加わってガーナ代表の指導に就いた経験があったので、イタリアとはかけ離れた食文化を受け入れる心の準備はできていたはずだった。そのガーナでの体験も心の準備をはるかに上回るほど私にとって衝撃的だった。試合を控えての食事は消化しやすい軽いものというのがヨーロッパの常識だが、モザンビークを相手の初の公式戦直前、食卓に運ばれたのは大量の魚のフライだった。その時の気温は36度で、湿度は限りなく100パーセントに近かったのに、である。普通だったら、そんなものを食べて走れば、心臓発作を起こすのがオチである。ところが、ガーナの選手たちは幸せそうにフライを食べ尽くし、ゲームではモザンビークをこてんぱんにやっつけたのだった。 イタリアサッカー連盟が実施した監督講習会で、現在ユヴェントスのベンチに座るクラウディオ・ラニエリが、外国で監督をやる場合の心得を語ったことがある。その中に、「自分のセオリーと食い違っていても、長年の伝統を持つ現地の食事習慣はなるべく受け入れるようにするべきだ」、との主張があった。当時バレンシアの監督を務めていたラニエリは、スペイン人選手に「バレンシア風パエージャを食べるな」と指示したことはない、と語っていた。ラニエリ監督は現地の食生活がプレーに悪影響をもたらさないと見極めた上で、そういう判断に至ったそうだ。 他にも分かりやすい例がある。 2005年のチャンピオンズリーグ決勝の2週間前、私はリヴァプールを訪問した。
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