本誌記事 WebCALCiO 2002

若い選手が戦力として育ちつつあるアッズーリは、ポルトガルを相手に、真摯なプレー、コンパクトなサッカーを展開した。
アッズーリの2点目は、ピルロがペナルティエリア外から放ったミドルシュートがカンナヴァーロに当たって入ったものだ
今シーズン最高の出来とも思えるピルロの指揮の下、FW、MF、DFの各ポジションがそれぞれ、隙のないプレーを見せた。 ピッチ上で威厳を感じさせるピルロは、まさに“ジェニオ”(天才)だった。特に後半開始早々のプレーは圧巻だった。 絶妙なスルーパスをディ・ナターレとトーニに出したかと思うと、その直後にペナルティエリア外から強烈なボレーシュートを放つ。 アッズーリの2点目は、ピルロが放ったミドルシュートがカンナヴァーロの体に当たって入ったもの。 記録ではカンナヴァーロのゴールとなっているが、ピルロが創造したプレーの中で決まったゴールだった。 1本の取り消されたゴール(ピルロがゴールを決めたが、その直前にピルロにハンドの反則があったとしてレフェリーはゴールを取り消した)、何度となく繰り出した絶妙なスルーパス、そして、得点に結びついたシュートが1本、というのがこの日のピルロのまとめ。 今シーズン、すでに出場試合は30を超えているにもかかわらず、疲労は全く見せなかった。 休むことなく走り回り、積極的なゲームメークを見せ、ラストパスをフィードするだけでなく、強烈なシュートも放つ。 ピルロは、ドナドーニのアッズーリに絶対不可欠な選手であることを立証したのだ。 その場に居合わせた者の多くが、「これはピルロのアッズーリだ!」と感じたに違いない。

左サイドを突破したグロッソがGKとDFの間にクロスを上げると、ファーサイドにいたトーニが押し込みアッズーリが先制した

攻撃面で不可欠な存在となっているのはトーニである。この日の先制点はトーニにとって代表での15本目(32試合出場)のゴール。先制ゴールを決めた後も、2回ゴールに限りなく近づいた。ともかく、今のイタリア代表にとって、トーニほど頼れるストライカーはいない。バイエルン・ミュンヘンでプレーするようになった今シーズン、17試合終了時点で10ゴールを記録。現在、ブンデスリーガ得点王争いのトップを走っている。05−06シーズン、31ゴールでセリエA得点王になると同時に、ゴールデン・シュー賞を獲得した絶好調時と比べても見劣りしない。彼は今しっかりと、スイスとオーストリアでの戦いを見据えている。「EURO2008では、参加国のすべてがイタリアをマークしてくるだろう。ワールドカップ優勝国なんだから当然だ。相手は目の色を変えてイタリア戦に臨んでくる。オレたちにとってタフなゲームになることは確かだ。それでも、オレたちは優勝するつもりさ。優勝する自信を全員が持っている。アッズーリは“軟弱”ではないからね」と彼は言う。

イタリアは観客を魅了しただけでなく、自分たちもゲームを楽しんでいたようである。かつては守備偏重型のサッカーと揶揄されたアッズーリが、見事なスペクタクルサッカーを展開したのだ。DFの要とも言うべきカンナヴァーロがゴールを挙げたということも、アッズーリ全体にみなぎる攻撃スピリットを象徴している。ちなみに、このポルトガル戦はカンナヴァーロにとって代表114試合目。そして、このゴールは、2004年5月30日のチュニジア戦でのゴール以来、代表での2ゴール目となったのだ。アッズーリのカピターノ、カンナヴァーロは今のアッズーリの強さを、「今まで以上に団結力あふれるチームに仕上がっている。選手全員がドナドーニ監督の下で大きなモティベーションを感じてプレーしている」と分析している。カンナヴァーロの経験値、ピルロのゲーム構成力、トーニの爆発力、アンブロジーニの存在感。これらすべてが見事にミックスされて、アッズーリの強さになっているのだろう。

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