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選手補強以上に注目されるのは、来シーズンのユーヴェを誰が指揮するのかということである。 そこで名前が挙がっているのがマルチェッロ・リッピ。 目下のところ、ミランの監督に就任するという説が強いが、本来リッピは“ユーヴェの人間”だ。 彼がユーヴェの監督に復帰するという可能性は決して否定できない。
第26節、ホームでフィオレンティーナに敗れた試合を巡り、フロント陣とクラウディオ・ラニエリ監督の関係は急速に悪化した。 この試合での采配に不満を感じたフロント陣、ジョヴァンニ・コボッリ・ジーリ会長、ジャン・クロード・ブラン社長、アレッシオ・セッコGM、そして、ここに来てその権限を増しているジャンパオロ・モンターリ(元バレーボールのイタリア代表監督、今シーズンからフロントに入閣)などが、ラニエリとの緊急ミーティングを設けたという。 試合終了直後、コボッリ・ジーリ会長は、「ラニエリ監督への信頼の気持ちは変わらない」と語った。 だが、後半途中にカモラネーシとデル・ピエロが下げられた時、VIP席から「これでは、テクニックのあるサッカーができなくなるではないか!」という批判の声が上がったことに変わりはない。 一方、その試合でフィオレンティーナのチェーザレ・プランデッリ監督が90分を通して積極的なサッカーを展開しているのだから、フロント陣のラニエリの采配に対する不満はさらに際立つことになったに違いない。
フロント陣は、失敗と見なされている昨夏と今冬の補強について、ラニエリ監督の起用法による部分が大きいと考えている。 チアーゴはベンチとスタンドを往復する間に一気に市場価値を下げてしまったし、センターバックが足りないという緊急事態を受けてラツィオからわざわざ獲得したグリエルモ・ステンダルドはほとんど起用されていない。 フロントのラニエリに対する不満は日増しに大きくなっているようだ。 しかし、ユーヴェのファンクラブ会員の意見はフロントとは異なっているようだ。 ファンクラブを対象に行われたアンケートでは、何と84パーセントが「ラニエリ続投」を支持している。 ただ、「ラニエリとリッピではどちらが良い?」の質問には大半がリッピを選択していることからすると、ラニエリ支持の理由は「ラニエリに取って代わる監督がいないから」ということのようだ。 要するに、「リッピの復帰が理想だが、リッピにその気がないなら、ラニエリ続投で行くべき」というのがユヴェンティーノの考えということだろう。
さらに、ファンクラブ対象のアンケートでは、ジジ・ブッフォンがユーヴェに不可欠な選手であることが確認できる。 アンケートに答えた人の80パーセントが、ブッフォンをチームリーダーに挙げたのだ。 「ユーヴェにさらなるタイトルをもたらしてくれる選手はブッフォン」というのが一般的ユヴェンティーノの考え方なのである。 長年に渡って“ビアンコネーロのシンボル”として君臨してきたデル・ピエロは、今もユヴェンティーノの信頼と期待を集めている。 ファンがユーヴェの話をする時、真っ先に口にするのは彼の名前なのだ。 それでも、チームを牽引する仕事はブッフォンに明け渡す時が来たと言えるのだろう。 デル・ピエロはユーヴェのバンディエラ(旗を意味するイタリア語)であり、ブッフォンは、バンディエラをなびかせる“風”なのである。 ブッフォンという風に乗ったユーヴェは、来シーズンにはおそらく、チャンピオンズリーグとカンピオナートの“2足のわらじ”を履くことになる。 ユーヴェのファンクラブは、どちらのタイトル獲得を願っているのだろうか? ファンクラブへのアンケートによれば、ファンの43パーセントがスクデット獲得を願っているとのこと。 彼らがインテルに対して抱いている“怨念”は大きなものだ。 彼らにとって、2005−06シーズンのスクデットはユーヴェのものであり、「スクデットをインテルに盗まれた」という意識がある。 だからこそ、スクデットを盗んだインテルへのリベンジをスクデット獲得という形で果たしたいのだろう。
ただし、43パーセントがスクデットを希望しているということは、過半数のファンがチャンピオンズリーグ優勝を願っているということ。 ファンはユーヴェがヨーロッパの名門であることを誇りにしているのだ。 スクデット獲得回数では他を圧倒しているユーヴェだが、チャンピオンズリーグの優勝回数はわずか2回。 7回優勝のミランに大きく差をつけられていることに屈辱を感じている。 しかも、1996−97シーズンの決勝でドルトムントに敗れて以来、マンチェスターの地でミランに敗れるまで、7年間で3回決勝に進出し、3回とも敗れるという“屈辱的”な記録まで作っているのだ。 チャンピオンズリーグでの屈辱を一日も早く払拭したいとファンが考えるのは当然のこと。 また、チャンピオンズリーグへの復帰が、スキャンダルの主犯として名誉を奪われたユーヴェ復権の突破口になると考えるファンも多い。 ユヴェンティーノのすべてが、来シーズンのチャンピオンズリーグでの快進撃を夢見ているのだ。 そのためには、今シーズンの4位以内を確保しなくてはならない。 カンピオナート終盤戦、チャンピオンズリーグ出場権争いは熾烈を極めるだろう。 ただし、3位を確保しているユーヴェは有利な立場にある。 今後予想されるフィオレンティーナ、ミランの猛追を前に、ユヴェントスはリードを守り抜かなければならない。 |
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