本誌記事 WebCALCiO 2002

来シーズンのユヴェントスは、テクニック面で格の違いを示すことができる選手を必要としている。 昨夏のカルチョメルカートでユーヴェ首脳陣が犯したミスは、中途半端なカンピオーネを獲得して資金を浪費したことだ。 そのミスを繰り返してはならない。 すでにそれなりの陣容を整えているユーヴェに必要なのは、中途半端な好選手ではなく、チームの未来を担うだけの才能を持ったフオリクラッセ(格の違う選手)なのだ。 同時に、現有戦力の多くが30代であるユーヴェの将来を考えれば、チームの若返りを進めていく必要がある。

ポジション的に強化が急務とされているのはディフェンスライン(特にセンターバック)とFW陣だが、現時点でアストン・ヴィラのスウェーデン人DF、オロフ・メルベリの獲得が決まっている。 ジョルジュ・アンドラーデがケガから復帰し、それによってジョルジョ・キエッリーニが本来の左サイドに戻ることを考えれば、ディフェンスラインのレベルアップはこれで十分に計算できる。

ヨハン・エルマンデル
ビッグクラブへの移籍が確実視されるスウェーデン代表ストライカー

問題はFWだ。 トゥールーズからスウェーデン代表のヨハン・エルマンデルを獲得する話が持ち上がっているが、ユーヴェのフロント陣に考えてもらいたいのは、エルマンデルがヴィンチェンツォ・イアクインタと同タイプのFWであり、イアクインタ以上の特別な仕事ができるとはどうしても思えないことだ。 実際、エルマンデルは、チャンピオンズリーグでもUEFAカップでも目立った活躍を見せていない。 ユーヴェが来シーズン、スクデット争いをするようなチームになるには、試合前から相手DF陣に恐怖心を植えつけるような威厳のある選手、ダヴィッド・トレゼゲ、または全盛期のアレッサンドロ・デル・ピエロのようなフオリクラッセが必要なのだ。

ネドヴェド

フオリクラッセということでは、ユーヴェは昨年のカルチョメルカートで大きなミスを犯している。 マウロ・ヘルマン・カモラネーシとパヴェル・ネドヴェドの代役をすぐにでも務められるはずのフランク・リベリーを取り逃がしたことだ。 新体制下のユーヴェは、セルヒオ・アルミロンとチアーゴを獲得し、2350万ユーロ(約35億円)を “ 浪費 ” した。 リベリーは、2500万ユーロ(約38億円)でバイエルン・ミュンヘンへ移籍した選手である。 ユーヴェが中途半端な好選手でなく、フオリクラッセを狙っていたら、ほぼ同じ金額でリベリーを獲得できていたという計算が成り立つ。 いずれにしても、この1年間でユーヴェが獲得した選手で納得のいく活躍を見せたのは、イアクインタとモモ・シソコだけ。 残りはすべて、「無駄金を使った」と批判されても仕方ない。

イアクインタ
シソコ
カリム・ベンゼマ
技巧と力強さを兼ね備え、豪快な突破を武器とするフランス代表FW

今のユーヴェに必要なのは、エルマンデルのような好選手ではなく、もうワンランク上のストライカーだと私は思っている。 その代表例が、リヨンのストライカーとして活躍するカリム・ベンゼマだ。 その若さにもかかわらず、現時点ですでにストライカーとして必要なすべての資質を兼ね備え、近い将来、トレゼゲの域に達するとまで言われているFWである。 今後、出番が徐々に減っていくことが予想されるデル・ピエロに取って代わる選手を必要としているユーヴェにとって、ベンゼマはまさに最適だと思うのだが、フロント陣はどう考えているのだろうか?

サミール・ナスリ
ジダン2世との呼び声も高い、マルセイユが誇る若きファンタジスタ

また、リベリーが去ったマルセイユには、まだサミール・ナスリが残っている。 ナスリはベンゼマと同じ1987年生まれで、フランスサッカーの将来を託された若者。 戦術的対応能力では物足りなさを感じさせるが、近い将来、ネドヴェドやアンドレア・ピルロの域に達するだけの潜在能力を持ち合わせていることは確か。 彼なら、チームの若返りを図ると同時に、30代中盤に差し掛かった主力選手の代役を務めるに足る才能を持っている。 リベリー獲得で犯したミスを繰り返さないよう、ユーヴェのフロント陣には賢明な決断を期待したい。

チームの若返りを進めるための候補となると、実はクラブ内にも何人かいる。 今シーズン、レンタル先のエンポリで“魅惑のファンタジスタ”として活躍している20歳のセバスティアン・ジョヴィンコはその筆頭だ。 セリエAで十分通用するだけのパフォーマンスを見せているだけに、ユーヴェでも戦力として期待できるだろう。 彼と同じエンポリでプレーするMFのクラウディオ・マルキージオ、シエナでプレーするパオロ・デ・チェーリエなど、ユーヴェが各地にレンタルしている若手選手の多くが、イタリアU−21代表のレギュラーとして活躍しているのだ。 各地で才能を伸ばしつつある若者たちを呼び戻すのも有効だろう。

さらに、ここに来て話題を集めているのが、セリエBのバーリにレンタルに出されている20歳の若きストライカー、ダヴィデ・ランザファーメである。 3トップのサイドアタッカーとしてプレー、初めてのセリエBですでに9ゴールを記録している。 この活躍を見て、ユーヴェのフロント陣は彼をトップチームに置いて育てようと考えているようだ。

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