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文●ルイジ・ロニョーニ text by Luigi ROGNONI
写真●マウリツィオ・ボルサーリ photo by Maurizio BORSARI |
ジョヴァンニ・ブランキーニは褐色の大熊のようである。筋肉隆々、その巨体はゆうに100kgを越える。おしゃれで、あごひげの手入れを怠らない。巨大な手、朗々とした声、食後には必ずキューバ産の高級葉巻をふかす男である。ジョヴァンニ・ブランキーニは最もグランデ(偉大)なカルチョの代理人の1人である。もっとも彼は、「私はグランデ(“偉大な”の他に“体が大きい”という意味がある)と言うより、グラッソ(デブ)なだけだよ(笑)」と切り返してくる。
彼は人前に出ることを嫌う。インタビューもあまり受け付けない。TVに出演することも滅多にない(注:イタリアでは代理人がTVカメラを前にして演説をふるうのは当たり前のこと)。バカンスにしても人目につくような場所を選択しない。彼が夏のバカンスを過ごすのは決まってヴェルシーリアのフォルテ・デイ・マルミである。
彼の交友関係はカルチョの世界の隅々にまで渡っている。プロクラトーレ(代理人)としては当然のことであるが、それにしても、その人脈は想像をはるかに越えたものである。人はブランキーニの人脈を「Branchini Associati」(ブランキーニ連盟)と呼び、敬意を払っている。
彼の父親ウンベルトはイタリアのボクシング界を代表するマッチメイカーであった。父親からしてみれば、息子のブランキーニがボクシングの仕事を引き継いでくれることを願っていただろう。だが、ジョヴァンニはボクシングの数百倍の金が動くカルチョの世界を選択した。ブランキーニの夢は、おそらく、大親友であるマッシモ・モラッティ(インテル会長)の下でGMの仕事をすることであろう。
大金が闊歩するカルチョの世界、当然のごとく、ライバルとなる代理人の数は多い。だが、彼がその分野でトップを走っていることを認めない者はいない。それは、彼のリストに記載された名前を見れば一目瞭然である。ロナウド、ルイ・コスタ、アルベルティーニ、そして、中田英寿……。彼はミラノのメジェンタ通りの一角にオフィスを構えている。美しいオフィスというより、まさに機能性にあふれたオフィスという印象を与える。そんなところにも、派手な交友関係より、実質的ビジネスを優先させるという彼の哲学が感じられる。 |
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