「パルマの奇跡は終わった」と多くの人が口にしている。だが、チームを支えた主力陣が去った今でもパルマは戦力ダウンしていない。昨シーズンの後半戦に見せた“強いパルマ”、快進撃でチャンピオンズリーグ出場権を勝ち得た“強いパルマ”が消失してしまったわけではないのだ。その理由は? “パルマ丸”の船長がいる限り巡航を続けるのである。その男こそレンゾ・ウリヴィエリである。ウリヴィエリは昨シーズン、マレザーニとサッキが座礁寸前まで追い込んだパルマ丸を穏やかな海に戻したのである。
今夏のメルカートでパルマが欲したルイ・コスタ、フランチェスコ・トルドはエミーリアの地への赴任を拒否した。しかし、ウリヴィエリはそんなことでめげる男ではない。彼は将来性に満ちた若手の集団にパルマの命運を賭けているのだ。そして、若手中心の“パルマ丸”に方向性を示す“灯台”の役割を担った男、それがヒデである。スクデットが縫い付けられたシャツを身に付けてプレーするという名誉をあえて放棄して新たな挑戦に向かうヒデ。W杯の前年にカンピオーネとしての証を示したいと願うヒデは、ついに絶対の信頼感を寄せてくれるチームに巡り合ったのだ。そう、ヒデはウリヴィエリのパルマでは不可欠の選手なのだ。若い選手が多いパルマでは、スクデットを体験しているヒデは、キャプテンとしてチームに残る決断をしたファビオ・カンナヴァーロとともに、大きな野望を抱くパルマの技術的、かつ精神的なリーダーとしての役割を担っているのだ。 |