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| 文●アダルベルト・ボルトロッティ text by Adalberto BORTOLOTTI 写真●兼子愼一郎、グエリン・スポルティーヴォ photo by Shin-ichiro KANEKO/GUERIN SPORTIVO | ||
「今シーズン、インテルがセリエAの主役を演ずる」と言うにはそれなりの根拠がある。まず、新監督エクトル・クーペルがスペインからやって来たアルゼンチン人監督であるということ。インテルに黄金時代をもたらしたエレーニオ・エレーラと同じ道を歩んだ監督が、21世紀のインテルにも黄金時代を建設する、というのがインテリスタの願いでもあるのだ。もっとも、縁起がいいというだけではない。なにせ、クーペルは輝かしい実績を引っさげてイタリアに上陸したのだから。彼は中堅クラスのチームを率いて、3年連続でヨーロッパカップの決勝に進出しているのである(マジョルカでカップウイナーズ・カップ、2年連続してバレンシアでチャンピオンズリーグ)。「3年連続決勝で負けているではないか」という否定的な見方をする人もいるが、マジョルカを率いてラツィオに勝てとでも言いたいのか? バレンシアを率いてレアル・マドリーを打ち破れとでも言いたいのか?奇跡にも限度はある。唯一チャンスと言えば、昨シーズンの決勝でバレンシアを率いて、バイエルン・ミュンヘンと対戦した時ぐらいのもの。オリヴァー・カーンの超人的パフォーマンスに夢を砕かれたが、その差はさほど大きなものではなかった。バイエルンが実力で上回っていたことは否定できないが、力が接近していたからこそ、PK戦まで持ち込むことができたのだ。 最後の最後までチャンピオンズカップに迫った昨シーズンのバレンシアには、セリエAでは“失格者”の烙印を押された選手が3人(カルボーニ、アングロマ、アジャーラ)もいた。しかも、ボローニャが獲得を見合わせたカリューがチームの得点源だったのだ。それだけではない。前年度のチーム躍進の切り札となったファリノースとクラウディオ・ロペスをカルチョに奪われ、本来なら“大きな戦力ダウン”と見なされたチームを再度チャンピオンズリーグの決勝まで導いた監督の能力は高く評価されるべきであろう。要するに、クーペルは、与えられた戦力で最大の結果を出す監督なのだ。 エクトル・クーペルのサッカーは決して美しいとは言えない。スペインでは、「結果ばかり追い求めて“つまらないサッカー”をする」という批判を受けていたことも確かだ。カペッロがレアル・マドリーの指揮を執っていた頃の批判と同様のものである。クーペルのインテル監督就任を耳にしたカペッロは、「クーペルはカウンターアタックを重視する監督だ。イタリアサッカーにはすぐに適応できるはず」と警戒の色を強めている。 あれほどまでにインテルを出たがっていたヴィエリに対して、年俸アップまでして慰留に成功したことは、インテルにとってはグッドニュースである。とにもかくにも偉大なるストライカーが来シーズンもインテルでプレーするということは心強い限りである(あくまで現時点の話)。それにロナウドが復帰すれば、セリエA最強の2トップが形成されることは間違いない。ヴィエリ、ロナウドの2トップなら、ミランのインザーギ、シェフチェンコ、ローマのバティストゥータ、モンテッラのコンビに引けを取るものではない。それに、ヴェントラのチーム復帰とカロンの加入で、ロナウドには早期復帰への過大なプレッシャーをかけずに済むということも大きなアドバンテージである。 脅威の2トップを支えるMF陣も充実している。特に、両サイドのレベルの高さは近年稀に見るものがある。コンセイソン、ザネッティ、エムレ……さらに、必要に応じてダルマやビノットがサイドに入ることもあり得る。質量ともに大幅にレベルアップされたと言っても差し支えない。クーペルサッカーの特色がサイドからの攻撃ということを考えれば、戦術に合った人材がそろったと言える。また、クーペルはサイドバックにも積極的なオーバーラップを要求するはずである。その点ではゲオルガトスの復帰もクーペルサッカーの持ち味を活かすものと予想できる。 |
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| すでに練習試合に出場しゴールも決めているロナウドだが、序盤戦はフルタイム出場することは厳しいだろう。全盛期のコンディションに戻るには、もう少し時間が必要だ。 | ユヴェントスへの移籍が噂されていたが、最終的にインテルに残ったヴィエリ。昨シーズンは、後半だけで18ゴールを叩き出すなど、ケガさえなければ期待は裏切らないはずだ。 | パルマでは監督との不仲で出番が少なかったS・コンセイソンだが、右サイドのMFとしては抜群の攻撃力を誇る。監督ともめさえしなければレギュラーは堅いだろう。 | GKとして円熟味が増してきたトルド。今シーズンのインテルでの活躍によっては、ブッフォンから代表の正GKの座を奪うこともできるだけに、重要なシーズンになる。 |
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