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毎年のようにインテルは革命的な補強をしているが、高い次元でのサッカーをできずに終わっている。今年もその不安はなきにしもあらず。「経験から学ぶことがない」というのがインテルに浴びせられる批判の声だが、「相変わらず同じミスを繰り返す」というのもインテルのメルカートを如実に表す言葉である。果たして、今年もそうなるのか? 残念ながら、その不安は拭えない。今夏の補強が、「質よりも量」であるという印象は拭えないのである。インテルは今夏も20名以上の選手を獲得しているが、すでに過剰気味であったチームをさらに飽和状態にしたのだ。だが、その中にチームの核となり得る選手、もしくは昨シーズンとの違いを示すだけの選手がいるだろうか?あえて名を挙げれば、トルドであろうが、若いながらすでに確固たる地位を築き上げていたフレイを大きく上回るGKとは言い難い。コンセイソンなら核になれるかもしれないが、サイドのポジションでチームの核として機能するには限度がある。センターバックのマテラッツィにも大きな期待がかかるが、ブランほどの存在感があるとは思えない。ビーバスとエムレに関してはまずはカルチョに対応できるかが問題。“世界一厳しいリーグ”のテストは決して甘くはない。 昨シーズン、ローマはカルチョメルカートに大きな教訓を残した。偉大なる選手がいて初めて偉大なるチームが形成されるという教訓である。昨シーズンのローマはさほど多くの選手を獲らなかった。だが、偉大なる選手を獲得した。それはバティストゥータであり、サムエルであり、エメルソンであった。今夏のインテルは昨夏のローマと正反対の道を歩んでいる。ある程度のレベルの選手(同レベル)を各ポジションに2、3人ずつ獲得しているのだ。これは単に選手の選択というクーペルの仕事を増やしたにすぎない。悪いことに余剰戦力を放出したくとも、モラッティ会長の温情で跳ね上がった選手の年俸がその邪魔をするという始末なのである。モラッティが払っている高年俸を引き継いでまで、放出リストにある選手を引き取ってくれるチームが存在しないのである。結果として中の上クラスの選手を多数抱えて、ロッカールーム内に不穏な空気を漂わせながら、中の上クラスのサッカーをするに留まる可能性もあるのだ。 ロナウドのピッチ復帰はインテリスタにとって限りない希望である。だが、同時に「いつ、どのように」という疑問は常に付きまとっている。すべてが希望どおりに進めばセリエA最強の2トップが出来上がる。だが、唯一のファンタジスタとも言えるレコーバが今シーズンはほぼプレー不可能(パスポート偽造の罪により)という状況で、ロナウドの復帰が大幅に遅れることになるとインテルのFW陣に黄信号が灯ることになる。控えのFWがハカン・シュクル、ヴェントラ、カロンではビッグクラブの2トップとしては力不足と言わざるを得ない。 両サイドのMFの充実はインテルにとって明るい材料である。だが、攻守のバランスの軸となるべきセンターに、これといった人材が見当たらないのは大きな不安要素である。クーペルは、おそらく、バレンシア時代の教え子、ファリノースにその大役を命ずることであろう。昨シーズン、ほとんど見せ場のなかったファリノースがバレンシア時代のプレーの冴えを取り戻すかどうかがインテルの希望でもあり、大きな不安要素でもある。昨シーズン、ローマで実績を残したザネッティ、ベテラン、ディ・ビアージョにも期待が寄せられているが、絶対的要素には欠けていると言わざるを得ない。エムレとオカンのトルコ勢にも期待がかかるが前述のようにまずはカルチョの厳しいテストに受かる必要がある。 参考までに、クーペルは非常に古典的な4−4−2を実践する監督。彼の戦術にはトレクアルティスタという発想は存在しない。バレンシアの監督時代は、攻撃の主体はあくまでサイドからの崩しにあった。メンディエタとキリー・ゴンサーレスがその役割を担っていたのだが、インテルではコンセイソンの仕事になるだろう。 多くの人が監督の重要性を論じているが、私は、通常、選手の能力に重きを置いている。だが、今回だけは別。インテルの今シーズンの行方はクーペルの手腕にかかっていると断言してもいい。真っ先にクーペルがしなければならないこと。それは、いち早く余剰人員を切り捨てること。そして、残った者の中からベストの選択をすることである。彼がもし長期的な展望に立ってのチーム作りを考えているのなら、それは明らかな間違い。彼には時間がないのだ。カルチョは決して気長に辛抱するなんてことをしてくれる世界ではないのだ。インテルの場合は、特に辛抱強さに欠けているのだ。 |
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| ローマでは中盤の底として27試合に出場し、スクデットを経験したザネッティ。インテルで2年連続スクデットを狙う。豊富な運動量と、激しいプレスが持ち味。 | ペルージャでの活躍でイタリア代表にも選ばれたマテラッツィ。守備に不安を抱えるインテルにとって、大きな補強となった。ヘディングだけではなく、FKも得意にしている。 | デビュー戦となったレアル・マドリー戦でいきなりゴールを決めたアドリアーノ。まだ19歳と若いFWだが、万全ではないロナウドの代わりとして期待されている。 | 初めてのセリエAで、一番ファンの目が厳しいインテルの指揮を執ることになったクーペル。決して美しいサッカーをするとは言えないが、確実に結果を残してきた。 |
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