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テリムはトルコでは最高の監督であることを立証した。だが、昨シーズンのフィオレンティーナでは盛大な花火を仕掛けたが、百花撩乱となる以前に漆黒の闇へと消えた。トルコにおいてはテリムの言葉は絶対であった。彼の言葉が法律であったとさえ言えるのだ。だが、イタリアにおいてはまだ実績を示すに至っていない。彼の言葉を絶対的にするためには、その能力を十分に立証しなくてはならないのだ。イタリアサッカーが他の国に比べて優れていると言うつもりはないが、少なくともイタリアでチームを指揮することは、他の国でするよりもはるかに複雑な要素を含んでいるということは否定できない。タバレスは素晴らしい監督であった。カルロス・ビアンチは素晴らしいなんてものではなかった。なにせ、リベルタドーレス杯を何度も手中にし、インターコンティネンタルカップまでモノにしていたのだから。だが、ミランもローマも彼らが監督の時代を“悪夢”として記憶しているのが実態である。テリムがフィオレンティーナで仕掛けた花火をミランで爆発させることができるのか、ミラン周辺には猜疑の目は少なくない。テリムは“トルコの皇帝”であっても、ロンバルディーアの皇帝にはなっていないからである。 私個人的には、今シーズンのミランには愛着を持っている。戦術的バラエティーに富んだチームであること、どのポジションにもテクニックの高い選手がそろっていることがその理由である。上位の混戦から抜け出すチームがあるとすれば、それはテクニックで優ったチームに他ならない。ミランのテクニックを象徴するのはルイ・コスタである。テリム自身が望み、ルイ・コスタも強く望んだ師弟関係。紆余曲折はあったが、ルイ・コスタを配下に据えたテリムの脳裏には数多くの戦術的選択肢が生まれたことであろう。ルイ・コスタの洗練されたテクニックと戦術的柔軟性はミラン全体に大きな影響を及ぼすはずである。ルイ・コスタならトップ下として使えることは当然として、セカンドアタッカー(マンチーニの下では何回かプレー)としてシェフチェンコないしはインザーギと組ませることもできる。ルイ・コスタがミランのスクデット獲得のキープレーヤーとなっていることは確かである。 DFに関して、ゴールマウスには(精神的)スランプを脱出したことを願いつつアッビアーティを据えることになろう。マルディーニ、カラーゼのセンターバックコンビの前には、かつてカペッロ時代にデサイーが果たしたような役割をアルベルティーニないしはレドンドに託すことになるだろう。右のサイドバックにはコントラ、左にはココという布陣で積極的なオーバーラップを仕掛けると予想される。サイドハーフのポジションはアンブロジーニ、ガットゥーゾ、ドナーティ、セルジーニョの4人が2つのポジションを争う形になる。FWに関しては、すでに述べたとおり、インザーギとシェフチェンコが両立するかどうかが大きな問題。この2人のコンビが機能しない場合、ハビ・モレーノが攻撃陣のカギを握ることもあり得る。 こう見てくると、「ミランが完璧なチームに仕上がった」という印象を受けるが、問題はやはりベンチの采配ということになる。テリムの能力を信頼していないというわけではない。ただ、ミランのようなビッグクラブでは慎重さが重んじられるということを言いたいだけだ。テリムの超カリスマ的性格からすると、大成功か大失敗しかないような印象を受けざるを得ないのだ。テリムを監督に据えた時点で、ある意味では、ミランの今シーズンの半分は終わっているのかもしれない。さて、大勝利に終わるのか、崩壊に終わるのか、今シーズンのミランからは目を放せない。 |
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| アラベスのUEFAカップ決勝進出の原動力となったハビ・モレーノ。インザーギの加入でスタメンは厳しくなったが、プレースタイルが全く違うだけに、活躍するチャンスは十分ある。 | アタランタでは、21歳の若さながらプレーメイカーとして活躍したドナーティ。プレースタイルはアルベルティーニを彷彿とさせる。これからのミランを背負って立つ選手だ | 当初のテリムの構想ではセンターバックにコンバートされる予定だったが、ラウルセンの加入で本来のボランチに戻りそうだ。持ち前の激しい運動量を活かすには、ボランチのほうが適任だろう | 昨シーズンのフィオレンティーナに続き、2度目のセリエAの挑戦となるテリム。愛弟子のルイ・コスタとともに、再びミランに黄金時代を築くことができるか |
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