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 2002.04.10
ホームでアタランタに1−2で敗れたインテルは、ヴェネツィアで苦戦したローマに差をつけるチャンスを逃してしまった(ヴェネツィアに0−2で負けていたローマは終了間際にPKを2つ与えられ、同点にこぎつけた)。アタランタ戦直後、インテルのモラッティ会長はこうコメントした
「リーグの終盤になると、どうも変なことが起こるので、気をつけていなければなりませんね。変なことって何かって? それは、あなた方(注:報道陣)もご存知でしょう。私に言わせようとして、何をしらばっくれているんですか? もちろん、ヴェネツィアvsローマ戦で起きたようなことを言ってるのですよ。2分間でPKが二つも与えられるなんて信じられない話ですよね。ギネスブックに載ってもいいんじゃないですか?」

そのヴェネツィアvsローマ戦を担当した主審は、あのピエルルイージ・コッリーナ。ミラノのチームをひいきするスポーツ紙、ガッゼッタ・デッロ・スポルトは次の記事を載せた
「FIFAによると世界No.1のレフェリー、コッリーナはヴェネツィア戦では文句無しに負けて当たり前のローマに終了間際で二つもPKを与え、スクデット争いの流れを大きく変えた。後半42分にコッリーナ主審が与えたPKは確かにファウルのように思えた。そして、彼は44分にもエリア内でカッサーノがマラスコに倒されたと見なして、ローマにPKを与えた。まず、これは本当にファウルだったのか、それともダイブだったのかを判断するのは難しい(コッリーナ主審はPKを命ずる直前に胸ポケットに手をやったので、ダイブしたカッサーノに対するイエローカードを取り出すのかとも思えた)。しかし、最後の5分でPKを2回も与える行為は、やはり、コッリーナ氏は、偉大なレフェリーでありながらも、結局は目立ちたがり屋の人間なのか、と思ってしまう。彼は常にルールに誠実だが、同時に派手な行為が好きだ。観衆を驚かせるようなことをする。ヴェネツィアに0−2で負けていたローマが『もうダメだ』と思った時に、颯爽(さっそう)と舞台に登場したのが、コッリーナ氏だった」

一方、ローマ市のチームびいきのコッリエーレ・デッロ・スポルト紙の一面にはこのような見出しが……
「BRAVO COLLINA」(コッリーナ、よくやった)

すんでのところで勝利を逃したヴェネツィアのマーニ監督
「PKですか? ファウルじゃなかったですよ、二つとも。でもねえ、世界で最も優秀なコッリーナさんがPKだって言うんだから……(苦笑)。いやあ、残念ですよ。勝てると思ってたんですけどね、なんせ相手が手強くって。相手って、ローマのことじゃないですよ……(苦笑)」

すでにB降格が決定しているヴェネツィアだが、ファンはローマ戦の結果にもちろん大不満
「いや、ひどいね。ほんと、気分わるいよ、オレ。ビッグクラブが揃って審判を買いまくって、リーグを好き勝手に楽しんでるんだからね。コッリーナはもちろん、ローマに買われたんだよ。我々みたいなプロヴィンチャなんて、誰も相手にしてくれないよ。まして、もうB落ちが決まってるチームなんてね。ほんと、ゲロ吐きたくなるよ、オレ」

(ボートタクシー会社経営のマルチェッロさん。ヴェネツィアは『大昔から応援してる』とのこと。年齢は30代後半)

ユヴェントスのルチアーノ・モッジGMは、皮肉を込めて……
「ヴェネツィアのPKの事件? だって、コッリーナさんは世界一のレフェリーなんでしょう? だったらねえ、私は言うことないですよ。これだけ言っておきましょうか? もしも同じような状況でユヴェントスにPKが二つも与えられたら、ものすごい騒ぎになるでしょうね。アンチ・ユヴェントスがギャアギャア言ってね」

ローマの宿敵ラツィオのMF、ステーファノ・フィオーレの意見は……
「TVのスローモーションで見たけど、確かにあれは二つともPKだったね。でもね、それは別として、ローマは負けるべきだったね」

試合から一夜明けて、インテルのモラッティ会長は前日の発言に対してこう付け加えた
「いや、特にコッリーナさんに怒ってるわけじゃないですよ。ウチは今シーズン、4回コッリーナさんに当たって、2勝2敗しました。でも、4試合とも彼のジャッジにはとても納得できましたからね。私が昨日『変なこと』と言ったのは、別に疑惑の意味ではなくて、終了間際にPKが二つも与えられること自体が、非常に『変なこと』だな、と思っただけですよ。『めったにない、珍しいこと』という意味でね。そんなことより、我々アタランタに敗れたことによって、チームの見直すべき点を再確認する必要がある。レフェリーがどうのこうの、じゃなくってね」

ローマ在住・高橋 在