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 2003.10.14
イタリアvsアゼルバイジャンの後半10分、途中交代を命ぜられたクリスティアン・ヴィエリはピッチを出る際、ベンチ前に置かれた水のペットボトルを蹴飛ばしたり、放り投げたりで交代に対する不満を表した。1本のビンはトラパットーニ監督に当たりそうになり、ヴィエリのその態度の悪さはスタジアムの観衆からもブーイングで批判されたが、試合終了後の記者会見ではトラップはこうコメント
「ボボは疲れてる様子だったし、動きも重かった。だから、私は交代を命じたのです。まあ、彼の態度はわからないでもないですけどね。ストライカーは『もっとプレーしたい、もっと点を取りたい』と思うのが当たり前ですから。でもですね、ヴィエリには自分の代わりに入ってプレーするチームメートのことも考えてもらわないといけないし、監督も色々と考慮している、ということも理解してもらいたいですね。例えば、ベオグラード(セルビア・モンテネグロ戦)でインザーギを下げてヴィエリを残した時、ボボはケガをしてしまった。ヴィエリを下げるという今回の私の決断には、(インテル監督の)クーペルさんは感謝してると思いますよ。ボボ本人も、これで得をしたと思うんですがね」

試合終了後、ヴィエリ本人は、反省の色を見せることもなく、すっとぼけた表情で記者陣の質問に答えた
「監督に謝ったかって? 別に、許してもらうことなんて、なんもしてないぜ。水のビンのこと? ああ、確かにビンを蹴っ飛ばした覚えはあるけど、それがトラップの方向に行ったとは気がつかなかったんだ。後でチームメートから聞いたよ」

ファビオ・カンナヴァーロは、ヴィエリを弁解しようとした
「ヴィエリのことを理解してやんないといけないよ。彼はマーリア・アッズーラ(代表の青ユニ)に、ものすごく執着心を持っている男なんだ。だから、下げられることを嫌がるんだよ。どんな時でも、とことんプレーしたいんだよね。何はともあれ、試合後に(監督と)話し合ったみたいだから、なんの問題もないよ」

ヴィエリの親友ピッポ・インザーギは(友だちだからこそ?)ボボに注意を呼びかけた
「ボボの気持ちはわかるさ。でも、ユーロ本大会では、団結心こそ我々の貴重な武器になるだろうから、気をつけないとね。時には(誰でも)ベンチスタートだったり、途中交代だったりすることもあるだろう。トラパットーニは、そういう決断を心置きなく選択できる状況が必要なんだから、監督が言うことをすんなり受け入れるようにしないとね」

毒舌で有名なスポーツ・ジャーナリスト、マウリツィオ・モスカは、この件についてこうコメント
「みんなが口にしてる『FWは交代を嫌がるのが普通』、『誰も下げられて喜ぶ選手はいない』、『試合終了後、話し合って事件は解決した』などの文句は、全部デタラメなんだ。チーム内の調和が良くってどうの、団結心が大事でどうの、ってみんな口先では言ってるけど、事実はこれ。ヴィエリは単に、自分がインザーギより点を取りたかったのさ。それを実現できなかったから、悔しくってイラついてたんだ」

ヴィエリが水のビンを蹴飛ばしたことについて意見を聞かれたフランチェスコ・トッティは、独特のユーモアを込めて、こうコメントした
「ヴィエリの態度にどんな意味合いがあるかって? そりゃ、明らかよ。喉が渇いてなかったってことさ」

ヴィエリの代わりに入ったマルコ・ディ・ヴァイオは後半20分、イタリア3点目のゴールを決めた。ディ・ヴァイオにとって、アッズーリとして初の公式ゴールだった
「今夜着ていたこのユニフォーム、そして履いていたこのシューズ、ガラスケースに入れて取っておきますよ。一生忘れられない、記念すべき代表初ゴールでしたからね」

何はともあれ、見事復活してユーロ本大会進出を決めたアッズーリ。自信を取り戻したトラップは、こう発言
「FIFAランキングは間違っている。イタリアは決して、世界12位なんかじゃない」

ローマ在住・高橋 在